今の洗剤は 液体から 今度はカプセルになっている
洗剤一つ見ても 時代の流れ 歴史を感じる

その昔は タライに洗濯板を使って 固形石鹸
洗濯機が普及して 洗濯石鹸は 粉石鹸になった

大きな箱に入った 粉石鹼だった

 

1973年11月に 日本にオイルショックが起こり
それを切っ掛けに 

トイレットペーパーと 洗剤のパニックが始まった
スーパーの それらの棚は 「品切れ中」の張り紙が貼られる

 

ロール紙は 4個入りと 6個入り
それらが無くなると ロールではなく落とし紙が売れる

京香紙と呼ばれる 高級化粧紙まで売れた

 

洗剤は 花王とライオンの製品が主だった

花王の ザブ ニュービーズ

ライオンの ブルーダイヤ ダッシュ トップ

どれも 今では考えられない 大箱だった

 

その1973年11月5日 大手のスーパーに入社した

そして 担当は 紙や洗剤を扱う 日用雑貨という係になった
改修が終わったビルの リオープンに合わせての入社だった
 

売り場はビルの6階にあった
開店前から ビルの前には 長い列が出来ている

改修工事に携わっていた 飯場のおばちゃん達もいる

開店と同時に
エスカレーターから 階段から みな駆け上がってくる

それを整理して レジに並べさせる

一瞬で 洗剤が無くなる トイレットロールも無くなる

 

後から来た人は 仕方なく 固形石鹸を渋々買っていく
落とし紙を買っていく

 

あの時のパニック状態を 何日も目の当たりにした

品物が入ってこない 入ってきても十分ではない


ある日のこと

私が呼び出された
ビルの裏側の搬入口に 大型のトラックが止まっている
何故か トラックの積み荷は すべて洗剤だった

 

実は 取引先の卸業者の担当が 私の母校の先輩で
6つしか違わない兄貴のような叔父の 親友だったのだ

お陰で 新入社員のさすらいだが 

職場で 株を上げたのは勿論の事だった

 

それにしても 最近の洗剤は 素晴らしい進化を遂げた

あの大きな箱の粉石鹸の箱も 小さな箱になった

液体もあれば カプセルもある
50年前は 洗剤一つ抱て帰るのも 大変だったのに

 

久しぶりに 粉石鹸を買ってきて 使っている(笑)