国営昭和記念公園ライトアップ

 

今では 我が家の玄関には 傘が溢れている

三人家族なのに 傘入れには 入らない程の ビニール傘

たまに整理をして 物置に持って行くから そこにもかなりの傘

 

大事に使っていた傘があった

裏地の付いた お気に入りの傘だった

出先で忘れ それでも探して 手元に戻した

そんな事が その傘には 何度もあった

 

傘は大事なものだったから 骨が折れても 傘屋で直した

専用の 骨が折れても 直す器具があって

それを取り付けると 再び使えるようになった

 

知り合いの山小屋で 名前の入った 番傘を貰った

竹の軸に 貼られているのは 厚手の油紙

油紙の上には 龍雲荘 と書かれていた

骨も全て 竹だった

 

20代だったが 好んで使った

粋に 感じていたのだろう

道行く人が 振る返って見るのが 楽しかった

 

大きな 長い傘を買った

その日は 珍しく 銭湯に行った

木で出来た 下足箱の隣に 

ロッカーのような 傘置き場があった

ただ 傘が長すぎて そこには収まらず 鍵も掛けられなかった

帰りに見たら すでに誰かに 持ち去られている

買ったばかりで とても悔しかった

今でも 思い出すと 悔しい

 

ビニール傘なら なんとも思わなかっただろうに

 

井上陽水の 傘がない が好きだ