京都の町は 何故か懐かしい 思いにふける
京都には 沢山の思い出がある
京都に行くようになって すでに50年以上が経つ
一度は 住みたいと 思った事もあった
清水坂の途中で 骨董品を並べて売っている人がいた
炭火を入れて 厚い鉄製の チロリを入れて燗をする
時代物の 酒器だった
若かったから お金がなく 父からお金を貰いに行き
その足で向かった時には もう骨董屋は居なかった
予約もせずに 新幹線で 京都に向かった
宿は 駅前の案内所で探して貰う
安い宿を探して 彼女が宿を決めた
町家の様な 古い宿
どの辺に泊まったかは 今は全く覚えていない
駅前の ビジネスホテルに 一人で泊まる
朝早く散歩に出て 西本願寺に行った
本堂からは 読経が聞こえてくる
本堂に入り 大勢の坊さんの 読経に包まれて目を閉じる
その時の 抹香の香りは今でも忘れない
愛宕念仏寺で ほら貝の音を聞く
羅漢像の中に 今は亡き父に似た像を見つける
父と 何度も来た京都
その数々の思い出が 走馬灯のように蘇って来た

