「法の人類史 著フェルナンダ・ビリー」を読む

文明を形作った世界の秩序 4000年

 

 

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マフィアの掟、宗教の法、チベットの慣習法、‥‥・国家の法にとどまらず、

これまで見過ごされてきた(共同体独自のルール」にも光を当て法の役割を捉え直す。

古代のハンムラビ法典から現代の国連法まで

4000年に及ぶ法づくりの歴史を俯瞰した法

「ルール」はいかに世界を変えたか

法とは何か、なぜ必要なのかを、改めて考えさせられる。

法は単なる規則の集まりではなく、

秩序と文明を作り出す手段に他ならない。

人間社会がなぜこのような形になったのかを知りたい人にとって、必読の一冊だ。

ラナ・ミッター

(オックスフォード大学教授、大英帝国勲位の4等勲爵士)

表紙裏

法はけっして単なる規則の集まりではない。

法は文明の複雑な地図を作り出してきた。

(・・・・)確かに法は権力の道具であったが,同じくらい人々が権力に抗う手段にもなった。

しかしながら法の支配は普遍でも必然でもない。

(・・・・)法の支配には歴史があり、法とは何か、法は何をするのか、法はいかにして社会を良い方向に、あるいは悪い方向に導くかを真に理解するために、私たちはその歴史を知る必要がある。

(序章「法の約束」より)

 

残る言葉

(引用)

  • の実態の発展は、地域の問題に取り組む地域の人々によるボトムアップによるものであった。
  • 3者の法づくり・・・・ソポタミアは正義、中国は懲罰、インドは義務だ。しかしこれらは全体として、事実上これまでに作られたあらゆる法の土台を確立した。
  • 国際組織はいずれも、各国政府が国際的な協定を結ぶのを待つのではなく、実際的な必要に答える形で法の規則や原則を創り、一部では裁判所の設置もする。
  • 爆発的に増えた権利についての議論は、適さない場所に異質な価値観を押し付けることになりかねない
  • 拘束、裁判、処罰という効果的な手段に裏付けられた刑事法は近代国家の成果だ。社会生活上様々な面を規制相とする精巧な法とともに、刑法は新たな社会プログラムの土台となり、経済発展を促している。
  • 曖昧さ、不正確さ、秘密主義は、独裁者やマフィアのボスや暴君の便利な道具だ。

爪を立てる

文明を形作った世界の序章4000年とあるように世界史を<法>を中心に語った本。

ということで、読者に、いかにスムースに理解させるかというスキルも求められていると思うが、私にとって達成されていると感じる。

現代、法を創るのは政治家だが、何に重点を置いているのか疑問に思うところがある。

行政の補完としての立法作業という、細部に注目するあまり、将来を見据えた政治家の姿が見えにくくなっているように感じる。

法を創ることがいつしか政治家の独占的な仕事となっているが、委託しているのであればその代理作業は変化する。

専門化と委託者の双方向性が進む一方、権力の集中化は進む。振り子の振れ幅が広くなっただけだ。

風土に根差した法の歴史というのはかけがえのないアイデンティティだろうが、歴史はその人の足かせにもなる。

グローバル化が進むほど小さなコミュニティが力を持つ。これも振り子の振れ幅が大きくなるだコミュニティ

そうした振り子の振れ幅を乗り越えて進むということはより理解され、認め合う共通ルール創りが求められる時代だと思う。

価値観の共有に関しては引用したところにもあるように

(3者の法づくり・・・・ソポタミアは正義、中国は懲罰、インドは義務だ。しかしこれらは全体として、事実上これまでに作られたあらゆる法の土台を確立した。

歴史を積み重ねてきた、社会の土台としての共通価値が簡単に融合することはないだろう。

地球全体を俯瞰できるデータ、立場意見の違う価値観を知ることのできる透明性が支える、

法の支配だろう。

これは透明化を進めることで、違いも共通部分も知ることができる。

理不尽なことは理不尽であり声に出して訴えられなくてもデータとして記録する。

そんなことができるようになると見えないブレーキや前に進む力を社会は備えることができる。

そんなことを考えると一人一人の情報発信がなくても社会は変わるし、存在価値は高まっている。

法を世界に標準化させるためには透明化とデータ化という共通の土台が何より必要だろう。

ヒトの共通認識がより広い社会に広がるか深まるか。

二者択一ではないけれどその間を重心が振り子のように触れながら、広まり深まってゆく。

それは欲というか、必要なものと行くか、文化というか重層的にあるものだろう。

グローバル化が一時的に摩擦を生んでもスピードをコントロールし、その時々の個々の問題に対しきめ細かく解決してゆくことでストレスを最小限に抑えることができる。

但し、摩擦を恐れずに進むという方向性を失わないことだ。

もし恐れて立ち止まってしまうと、そのグループは徐々においていかれてしまう。

ITという手段を手に入れたことによる共有化は今までの数倍数十倍のスピードで変化できるようになった。

それでも歴史の上に成り立ってゆく法が重要性を増すことはあれ、軽くなることはないと想像する。

歴史を学ぶ一つの視点を与えてくれ、将来来を見据えている本。

 

 

 

<大洋を群れずに回遊する>

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています

 

 

 

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