「善と悪の生物学  著ロバート・Ⅿ・サポルスキー」を読む

 

サブタイトル 何が人を動かしているか

帯の広告(上)

人間がお互いに傷つけ、気遣うのはなぜか?

一秒前、数分前、数日前・・・・・

時間をさかのぼり、行動の決定要因に迫る!

スタンフォード大学の名物教授が、生物学、脳神経学、心理学を総覧し人間行動の謎に迫る。

「ニューヨーク・タイムズ」ベストセラー

今行動が起こった。

なぜ起こったのか?最初に説明する分野は神経生物学的なものになる。

行動が起こる一秒前に、その人の脳内で何がったのか?では、ほんの少し視野を広げよう。

それが次に説明する分野であり、時間的にもう少し前のことだ。

数秒前から数分前にかけて、その行動を生じるような神経系の引き金を引いたのは、どのような光景や音やにおいだったのか?

そしてその次の分野に移る。

その行動を生じさせた神経系の引き金を引く感覚刺激に対して、個体がどのように反応するが変化したのは、数時間前から数日前にかけてどんなホルモンが作用したことによるのか?

(本書はじめにより)

 

表紙裏

ある行動の瞬間から、その一秒前に脳内で何が起こったのか?

数秒から数分前の感覚刺激はどうだったか

数時間から数日前のホルモンの状態は?

と時間をさかのぼり、行動を決定する要因を探る。

幼少期の体験は成人後の行動にどのように影響するにか?

文化や人類の進化過程は行動にどのような影響をおよぼすのか?

人間行動の根源に迫る壮大な旅!

 

帯の広告(下)

人間は戦争をやめられるか?

集団の中にできる序列

<我々>vs<彼ら>の対決の姿勢・・・・。

そこから起きる「最悪の行動」を避ける希望を科学に見出す!

霊長類学、文化人類学、社会心理学、あらゆるカテゴリーを超える知の総合

サポルスキーは、心理学、霊長類学、社会学、神経生物学など、さまざまな学問分野の知見を総動員して、なぜ私たちがそのような行動をするのかを説明する。

非常に読みやすく、時にユーモラスな物語を作り上げた。

本書は、ここ数年のノンフィクションの中で断トツの一冊。

「ワシントンポスト」紙

 

本書は私がこれまで読んだ中で

最高のノンフィクションだといっても過言ではない。

「ウオール・ストリート・ジャーナル」紙

 

独特な構成で書かれた本書は神経生物学と言うこの上なく複雑なテーマを完全に統合し、これまで以上にアクセスしやすくした。

魔法のような一冊。

もしダーウィンが本書を読んだら興奮したことだろう。

「ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー」

 

表紙裏

<我々>と<彼ら>を区別するのは人間だけか?

集団の中の序列はどのように決まるのか?

協力したり裏切ったりするのはなぜか?

霊長類学、社会心理学、文化人類学から行動経済学と言った学問分野を横断し、集団同士の間で起こる暴力、戦争という「最悪の行動」はなぜ終わらないのかという問いに立ち向かう、スタンフォード大学教授の挑戦!

 

爪を立てる

(引用)

この本を一言に要約しなければならないとしたら【複雑】だ。

何かを引き起こす根本的な原因はないように思える。

すべてはただほかのものを調節するだけだ。

福岡真一著<生物と無生物の間>のしおりにこうある。

(引用)

私たち生物体の身体は

プラモデルのような静的なパーツから成り立っている分子機械ではなく

パーツ自体のダイナミックな流れの中に成り立っている。

付け加えてこの本の付録としてある神経科学初級講座にこうある。

(引用)

尋常ではないほど広いニューロンの連想ネットワークの成果を、私たちはなんと呼べるのか?

独創性だ。

 

行きつくところが人間の独創性というのが共感できるところ。

 

中野P信子著『運のいい人』を読んでもう少し字数の多い本を読みたいと選んだ本。

脳を語る人は、生物としての人間がベースになってきているところが有難い。

 

生き物として、頭が大きいから早熟で生まれなければならないとか

遺伝子は生物全体の歴史を詰め込んでいるので共通のところと少しの差で大きく変わるとか。

その点を突き詰めていってほしい。

人間の行動に影響するものは道徳や学習で言い尽くせるものではない部分が何に頼って売るのか少しでも理解できると、もう少し先が見える気がする。

イーロン・マスクやジェフ・ベゾスが宇宙を目指している。

中国が月の裏側に行く。

誰か一人の遺伝子さえあれば、多くの人を宇宙に送り出すことなく、進化し続けられるのではないか?

環境悪化が人類を滅ぼすとしてもその原因は人間なのか、自然変化の幅が大きいだけなのか知らないが、

同じ遺伝子から生まれた人の集合体は戦争をしないのか?

SF作家が描いてくれればと空想する。

 

上下2冊の対策なので、読むかパスするかを目次で判断するのが最良の選択。

物語として(と言うかストーリー性があって)成功している本の一つ。

 

この本で感じるのは一つの事を断定的に言うには、物事は複雑すぎて詳細を一読でつかむには幅が広すぎる。

そして深い。

その中で個人的に残そうとしている部分。

引用{下巻P297)

私は弱められた自由意志のイメージを次のように描く。

脳がある。-neuro、シナプス、神経伝達物質、受容体、脳特異的転写因子、エピジェネティクな影響,neuro新生中の遺伝子転移、脳機能のさまざまな側面が、出生前環境、遺伝子、そしてホルモンに影響されうる。

親の子育てが信頼型か、文化が平等主義か、子供のころ朝食時に暴力を目撃したか、荷も影響されうる。

本書で取り上げたすべてである。

 

生物であることの特徴をより深く追求するための手段を手狂してくれている本。

人間の取る行動の特徴がわかれば、予測することの範囲が広がる。

何よりつけ込まれなくなる部分がある。

群れずとも向かう方向の行き着くところを想定できる確率が高くなる。

 

 

<大洋を群れずに回遊する>

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています

 

 

 

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