「ゴースト・ワーク 著 メアリー・L・グレイ。シッダールタ・スリ」を読んで

サブタイトル

グローバルな新下層階級をシリコンバレーが生み出すのをどう食い止めるか

 

帯の広告

<文化人類学者×コンピューター社会学者>

が新しい局面へと突入した、「労働」の変化をリアルに伝える。

AIが人の仕事を作る世界。

超高速で拡大する「ギグワーク」の最暗部をえぐる渾身のルポルタージュ

Amazon、Google、Microsoft、Uber。

大企業が提供する自動化されたサービスの裏側に潜む、

数えきれない「見えない労働者」の存在と実情とは。

スマートフォンのアプリやウェブサイトや人工知能(AI)システムの飾数を作動させている人間の労働は、なかなか目につかない。

実は、意図的に隠されていることがよくあるのだ。

この、見えづらい世界での労働の事を本書では「ゴースト・ワーク」と呼ぶ。

ジョーンは81歳の母親と住むテキサス州ヒューストンの家で働いている。

膝の手術を受けた後、弱ってしまって一人暮らしができなくなった母親の世話をするために、ジョーンは2012年にこの家へ引っ越してきた。1年後、彼女はⅯタークを通してオンラインで仕事を請け負い始めた。

Ⅿタークというのは「アマゾン・メカニカルターク」の略称で、巨大テクノロジー企業アマゾン・ドットコムが所有・運営している広大な市場だ。

ジョーンは、特に実入りがよいのは「ディックピック(訳注:男性器の猥褻画像)選別の手間

仕事」だという。

ツイッターやマッチングサイトのマッチ・ドットコムのようなプラットフォームのソーシャルメディア・ユーザーが「不快」というフラッグを立てた写真にラベルを付ける仕事を、彼女はそう表現した。

本書は,AIの構築でゴースト・ワークが果たす役割に光を当て、目に見えないけれど、インターネットの機能や自動化の未来にとって欠かせないワーカーの暮らしを明らかにする、前例のない作品だ。(本文より)

表紙裏

アメリカ人の推定8%が「ゴースト・ワーク」で少なくとも一度は働いたことがあり、その数はますます増えつづけている。

彼らは通常、これまでの「仕事」において法で定められている最低収入よりも少なく、健康上の利点はなく、理由を問わずいつでも解雇されてしまう。

この種の「仕事」を管理する労働法はまだなく、これらの末日(ここの意味が分からない。誤訳またはミスで末端か?)の組み立てラインは、驚くほど多様な範囲の労働者を引き込んでいる。

お金に急いでいる若いシングルマザー、早期退職を余儀なくされた専門家、就職に失敗した若者たち、彼らは過労と過少賃金に日々苦しんでいる。

情報化が進み機械化が進むにつれて増大が予想される「見えない労働者」をどう考えるか。

雇用主、労働者、そして社会がこの新しい種類の仕事とそれに携わる人々についてできることとは何か。

 

 

爪を立てる。

概要は帯広告と表紙裏にほぼ詰まっている。

知るだけでいいのならそれで充分<こういう問題がある>といえる。

この問題は組織化された労働者から零れ落ちた労働者の新しい形なので、臨時工、季節公、パート、派遣社員、児童労働…長い列の最後尾にならんだ。

 

イノベーションによる新しい仕事が生まれると、

そこにはまだ法律に守られない弱者が生まれることになる。

どうしてもルール作成は後手に回ることになる。

政治家がイノベーションの先を見据えてルールを作ることはできない。

ただよく観察していてタイムリーにルールを創っていく必要があることを、この本は教える。

新しい仕事を搾取とみるか、失業者に新しい仕事の提供とみるかという二項対立としてみるのではなく、その間のどこかに、落としどころはある。

ただ目に見える人の中に競争相手がいるわけではないので、想像力が必要だ。

 

そしてその先にはイーロンマスクの言うように総人口よりも多いロボットが散在する世界になると生産性は劇的に上昇するという。

<ヒトの仕事>は新しい価値を持たないと、存在すること自体が怪しくなる。

 

在宅でできる仕事というのがゴーストワークでないことを、願う。

ヒトは雑談の中からヒントを得ると考えているので、新しい人間的付き合いが生まれていることも併せて願う。

 

 

<大洋を群れずに回遊する>

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています

 

 

 

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