「マイケル・ジェンセンとアメリカ中産階級の解体 著ニコラスレマン」を」読む

副題 エージェンシー理論の光と影

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時代を象徴する3人の学者・事業家とそのアイデアからアメリカ資本主義の変質を移植のノンフィクション

経済はアイデアで動く!

★大企業の時代…アドルフ・バーリ「所有と経営の分離」

★金融取引の時代…マイケル・ジャンセン「プリンシバル・エージェント」

★ネットワークの時代…ネットワークの時代…リード・ホフマン「ブリッツスケーリング」

好評既刊

『テクノロジーの世界史…ビルゲイツのパラドックス』カール・B・フレイ著

『ポールローマーと経済成長の謎』…デヴィド・ウォルシュ著

『アメリカ経済…成長の終焉上・下』ロバート・ゴードン著

『コンテナ物語…世界を変えたのは「箱」の発明だった』増補改訂版  マルク・レビンソン著

金融の時代からネットワーク資本主義へと向かうアメリカ社会の変容を活写

 

解説より引用

(引用)

本書ではアメリカが組織社会から取引社会、そしてネットワーク社会へ制度変化を経験してきたが、その変化は自然発生的なものではなく、人為的な選択の成果であると主張している。

企業、労働組合、地域社会、金融機関はすべて組織であり、またそれらがどのように行動するかを規定するルールは法的にまた習慣的に成立した制度である。

そうした制度を変えるのは政治であり、政治を動かすのは組織の活動である。

それぞれの組織は、すべての人にとって望ましいとする公益を追求するのではなく、自らのグループの直面する不満・問題解決するための集団として政治活動を行うが、これを著者は多元主義と呼んでいる。

著者は、社会の構成員すべての生活を変えてしまう制度的変化にとって最も重要なものは組織であり、大きな組織を形成することが決定的に重要であると主張している。

と纏められている。

 

爪を立てる。

(ベントリーの言葉として引用している)

グループのあいだで絶えまなく生産的な論争を繰り返せば、内容は複雑であっても包括的な取引が実現するというものだ(中略)

我々が目にすることができるのはグループや組織だ。

子供を教育する学校、地方政府、祈りの場所、業界団体、民族団体、政治運動団体等々である。

こうした組織はそれぞれの内容に応じて、自らを守ったり、生活環境を改善したり、くじぉゆを相談したりすることができるツールである。人々の声を聴き、彼らのために尽くしたり未来の良き社会を構築するには、こうした組織の活用が不可欠だ。取引社会や壮大な思想にはそれができない。

 

我々の政治制度上の政府は民主的だが、産業界の政府は独裁的である。選択肢は2つしかない。産業界が政府に圧力をかける手独裁的にするか、政府が産業界に圧力をて民主的的にするかいずれかである。

 

ネットワーク型社会はバーチャルで、組織の存在しないある種の多元主義を促進するが、そんなことは不可能だ。

 

ネットワーク社会に展望はないのか?

ネットワークの時代には、共通言語と共通のベースになるものが必要だと思う。

そうでなければお互いの出会いというのは最初で最後になる可能性が高い。

それでも、見知らずの人との新しい関係が始まるのではないかと考えるのを楽天的すぎるとは言えないだろう。

 

著者の多元主義に関する意見に違和感を覚える。

これはアメリカ社会と日本の社会の持つ特徴に違いがありそう。

日本の社会は皆で貧しくなろうという同調圧力の強い社会。

つまり才能を全速力で伸ばすことのしにくい、むき出しの欲望を認めるよりも足の引っ張り合い優先の社会。

そんな気がする。

 

もう一つの社会(コミュニティ)という枠組みについて

著者の言う(引用)

利益集団のコミュニティを子供を教育する学校、地方政府、祈りの場所、業界団体、民族団体、政治運動団体等々である。

と地域社会つまり

「無縁社会」とコミュニティあなたはどちらを選びますか?

と聞いたのはロバート・Ⅾ・パットナムの書いた本<孤独なボウリング>(日本語版2006年発売)の帯広告にあるコミニュテイと著者の言う利益者集団と同じ意味を持つ集団なのだろうか?

 

そしてバーチャルの世界がリアルな世界を変えてゆくという可能性を否定している。

この点には引っかかるものがある。

リアルな世界で解決できないことを何とかする可能性はあると思う。

只。どれだけの、というかどんなコストが求められるのかそこが問題だ。

リスクをとるだけの楽観性と挑戦するエネルギーはあると思いたい。

 

 

<大洋を群れずに回遊する>

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています

 

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