「国運の分岐点  著デービッド・アトキンソン」を読む

中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか

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一向に上がらない賃金、人口減少、少子化…‥

国難突破のカギは「中小企業改革」だった!

伝説のアナリストがついに到達した「日本再生」最終結論!

本署の最大のポイントは、1964年と言うタイミングを境に、なぜ日本に小さい企業が爆発的に増えたのかということを徹底的に分析して解き明かしたことです。

従来の経済分析にはない新しい発見によって、日本社会のさまざまな非効率的な産業構造が、人口増加時代の国益によって生み出されたものであること、そして人口減少時代のいま、それが国益におおきく反することになってしまったという厳しい現実が浮かび上がりました。

(中略)日本の中小企業の定義はあまりに小さく、なおかつ、優遇策があまりに手厚すぎることによって、経営者が企業規模の拡大をなくしても良い仕組みを作ってしまったのです。

それこそが、日本の生産性が長く低迷している原因です。

表紙裏

デービッド・アトキンソン略歴

1965年、イギリス生まれ。小西美術工芸社社長。

元ゴールドマンサックス金融調査室室長。オックスフォード大学日本学科卒業。アンダーセンコンサルティング、ソロモンブラザースを経て、1992年にゴールドマンサックス入社。

日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。

98年に同社managing director(取締役)、2006年にpartner(共同出資者)となるが、07年に退社。同社で活躍中、1999年医裏千家に入門。

日本の伝統文化に親しみ、2006年には茶名(宗真)を拝受する。

09年、国宝・重要文化財の保守を手掛ける小西美術工芸社取締役に就任。10年に代表取締役会長。11年移動会長兼社長に就任。14年より現職

「イギリス人アナリスト日本の国宝を守る 雇用400万人、GDP8%成長への提言」「イギリス人アナリストだからわかった日本の「強味」「弱み」(以上講談社+α新書)など著書多数

 

表紙の裏側にある目次

国運の分岐点…中小企業改革で再び輝くか、中国の属国になるか

第1章 「低成長のワナ」からいかにして抜け出すか

第2章 日本経済の最大の問題は中小企業

第3章 この国をおかしくした1964年体制

第4章 崩壊し始めた1964年体制

第5章 人口減少・高齢化で「国益が変わった」

第6章 国益と中小企業経営者の利益

第7章 中小企業護送船団方式の終焉

第8章 中国の属国となるという最悪の未来と再生への道

 

この本のポイント

  • 「経済成長できない」「デフレから脱却できない」という問題を解決するにはこの国のグランドデザインが必要だ
  • 日本の低生産性の原因は中小企業が多すぎるからでその原因は優遇されすぎているから。
  • 生産性の高さは企業規模に比例するので、大企業を増やす誘導が必要。
  • 最低賃金を上げると生産性が上がる理由は、支払うことのできない企業の撤退とM&Aによる大規模化をはかることで生産性を上げる
  • GDPと人口の関係は先進国において連動するので、一概に日本が特に技術大国とは言えない。
  • 外資の受け入れに積極的でないのは「植民地支配への強い恐怖」がある
  • 何が最善なのか、何が科学的なのか。感情論に流されず、論理的に物事を考えることが、いますべての日本人に求められているのではないでしょうか。

 

爪を立てる

今読むのはタイミングが良いとも、悪いともいえる本。

頃の問題は最優先で失業政策になる。その最中にこれから伸びる企業とゾンビ企業の選別ができるのかという問題があるから。

ここは民間投資家が選別してゆくしかないと考える。

そのための専門知識を有した人の情報が価値を持つだろう。

みんなで貧しくなる、皆でIT社会づくりを遅らせる。のではなく、進める人に思いっきり進んでもらえる社会を創るしかないのではないか。

そうした意味では、著者の意見を参考にして、中小企業と言われるなかでも伸びる可能性を持つ技術を見通せる専門家の知識を参考にして投資できる人の出番になる。

 

極論を3点

敗戦後の日本国内統治を考えると、自作農と中小企業主を優遇し新保守層を形成する。

いわゆる労働者と分断して民主主義というより保守政治を支持する集団が必要だったのではないかという経済的要因以外の因子を検討すべきではないか?

著者の言うように日本にはグランドデザインが必要だが、第二次世界大戦敗戦後の日米関係において発生した各種貿易摩擦などの政治的軋轢を考慮すると自国中心にグランドデザインは描きにくかったのではないか?

著者の言うように民主主義を譲ることはないとして、経済だけを捉えて極論を言えば、なぜ中国の属国ではまずいのか?

東京に大災害が起きたら、残された日本人を総動員しても東京の復興は無理と判断すれば、インフラとしての東京は捨てるしかないと考え首都移転で費用削減というのはどうか?

 

日本がおかれた地理的拘束、歴史的拘束から考えれば、当然著者がまとめているように

<「何が最善なのか、何が科学的なのか。感情論に流されず、論理的に物事を考えることが、いますべての日本人に求められているのではないでしょうか。」> 

その通りだと思う。やっと思考停止状態から本格的にグランドデザインを考え出す人が求められるようになった。

こういう時(人口増から人口減、自然災害多発)こそ世代交代は必要と考える。

 

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています

 

 

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