「嘘と孤独とテクノロジー 知の巨人に聞く 著吉成真由美」を読む
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表
世界的に叡智5人は加速度的な速さで変化していく不確実な社会に生きる我々に、(中略)
斬新な視点や大局観というものを呈示してくれます。{まえがき}より
人々の怒りや恨みがデマゴーグによって利用されている。
これはポピュリズムではなく、ファシズムの第一歩だ。…ノーム・チョムスキー
裏
第1章 エドワード・O・ウィルソン(生物学者/昆虫学者)
「人類は石器時代の感情と神のようなテクノロジーを持っている」
第2章 ティモシー・スナイダー(歴史家)
テクノロジーとロシアとファシズムの関係
第3章 ダニエル・C・デネット(哲学者・認知科学者)
世界は「理解していないけれど能力がある」現象で回っている
第4章 スティーブン・ビンガー(認知心理学者)
なぜ人間の暴力は減ってきたのか
第5章 ノーム・チョムスキー(言語学者・哲学者)
新自由主義はファシズムを招く
表紙裏
私たちはインターネット時代をどう解釈し、どう生きるべきなのか?
貧困、格差、暴力、ファシズムの影、ポピュリズムの台頭、フェイクニュースなどの嘘…。
今、人類が直面する問題の本質について、世界的にも大きな影響を与える5人の知の巨人たちにインタビュー。
歴史学、哲学、生物学、心理がⅬ区などの分野からアプローチした彼らの洞察に富む言葉は、私たちに未来への展望と現代を生きるヒントを与えてくれる。
この人のインタビュー本はなるべく読みたい。インタビューされる人は当然注目されているが、吉成真由美という人とそのチームがだれを対象にするのかという興味もある。
ということで訳者の紹介
サイエンテスター。マサチューセッツ工科大学卒業、ハーバード大学大学院修士課程修了。
元NHKディレクター、著書に「知の逆転」「知の英断」「人類の未来、AI、経済、民主主義」(インタビュー編、すべてNHK出版新書)、「進化とは何か・リチャード・ドーキンス博士の特別講義」(編集・翻訳、平川書房)等
よく纏められている訳者のあとがきを部分的に紹介する。
ソーシャルメディアはユーザー数を増やして広告収益を上げるために検索履歴をフォローして、個人の趣味や好みに沿った検索結果や広告内容にフォーカスしていくので、ユーザーは自分の興味の範囲内で生活してしまうような「フィルターバブル」に籠りがちです.(中略)インターネットを通じて、明らかなこととそうでないものを様々なレベルの嘘を振りまくことに、いったいどんなメリットがあるのでしょうか?それは、嘘がにちじぉゆ化することでうそになれてしまい、「目や耳に入る情報は何も信用できない」という疑いとあきらめの気持ちを生んで、人々を従順にさせる効果があり、結果として権威主義による支配を許してしまうことになるというわけです。
「テクノユートピア」を提唱する未来学者たちは、テクノロジーは分散型社会をもたらし、そのことによって社会の安全性と透明性が増して、民主主義が強く支えられ、ソーシャルメディアなどを通じて地球上の人びとが繋がり合えば、偏見や、恐怖や、差別から解放され、人類の平和に貢献する、と言います。
対し、ティモシー・スナイダーは、完全な透明さは全体主義に通じ、我々が自由であるためには、自分の一部はプライベートでなければならないと言います。
分散型になるということは個人の責任が大きくなることでもあります。(中略)そもそも個人のリスクを少なくするために、企業や国家を作った訳で、そこからまた個人に戻るとなると、責任の所在が不明確になり、個々人はコントロールされやすくなってしまうでしょう。
さらに「孤立」は社会性、共存能力、交渉能力を退行させ、伊日にち15本のタバコにも匹敵する健康被害があるだけでなく、コニュニティの力が弱まり、国家が弱体化して、グローバル市場での競争力が低下してしまうことにもなります。(略)
目を見つめ合う人間同士の直接のつながりが、社会の「信頼」を構築する上では、最も大事だということでしょう。
テクノロジーの発達は止められない訳ですが、テクノロジーがいくら発達していっても、社会が効率ばかりを求めて多様性を失ってしまわない様、そしてファクトチェックを重ねて熱狂を避け、あくまでも真実を大切にしてゆくことを願っています。
爪を立てる
第1章 エドワード・O・ウィルソン(生物学者/昆虫学者)
「人類は石器時代の感情と神のようなテクノロジーを持っている」
本の中では「人類は石器時代の感情と、中世のような組織と、神のようなテクノロジーを持っている」
中抜けの「中世のような組織」がないと、気の抜けたビールだよこれは!
「中世の組織と」が帯広告に長すぎるということはないと思うがどうだろう?
第2章 ティモシー・シュナイダーの言っていることに対する疑問
民主主義が不完全であることの善さを説明している。
どのようなシステムが、ひどい犠牲を払わずに「不完全」を供出来るか、自分とは倫理観の異なる人たちを踏み潰すことなく、自分の倫理観を実現できるのか。
じつはこれらこそ「民主主義」や「多元主義」が可能にしてくれる事柄なのです。(中略)このシステムでは、我々は自分を表現できて、勝つこともあれば負けることもあるし、自分の倫理観に基づいて投票することはできても、ほとんどの場合、自分の意見を他人に強要することはできません。世界が不完全だからこそ「民主主義」が良いシステムなのです。
➡であれば、忖度による服従はどちらに責任があるか?という問いに答える必要があるのではないか?
また、組織や制度が、人間が全く一人になることを防いでくれる。人間はひとりになってしまったら、完全に負けです。
➡ということはヒエラルキーの上に立つことを認めることになるが、ネットワーク社会という形での例えばプラットフォームに乗るビットコインのような世界での平等の可能性はありえないのか?という可能性に対する疑問が生まれる
第3章ダニエル・C・デネットについての疑問
世界は「理解していないけれど能力がある」現象で回っている
思考力のない、動機を持たない、洞察力のないプロセス、これが「理解していないけれど能力がある」という現象です。
人類が地球を占領したのは「カンブリア大爆発」よりも大きな出来事でその原因は3点
①「テクノロジー」「社会グループ」「言語」
遺伝子は文化よりもはるかにゆっくりと進化する➡文化が遺伝子に影響を与える。
ダニエル・C・デネットが最も心配していることは、「法の支配」や「民主主義」というものが、我々が考えているよりはるかに脆弱だというコトで、現在の世界情勢は、きわめて危ない状況にあることを心配しています。勇気と誠実さをもって現状を把握できる人たちが、この危機的状態から脱する方向に世界を牽引してくれることを願っています。本当に危険な状況にあると思います。
対処法「信頼」という点について、ボトムアップの思考法を身につけることです。信頼はどのようにして築き上げられ、どのようにして維持されてゆくかをしっかり確認するべきです。
対処法があると言いながら、具体的確認方法果て理事されていない!
第4章 ステーブン・ピンガー
人類の暴力は減ってきた。と言っている。
民主主義はパーフェクトになりえない。
「理性」「科学」「ヒューマニズム」「進歩」こそが啓蒙の本質で優れた人物ではなく優れたアイデアが重要だ
招来の教育について最も重要な要素とは、データに基づく「クリティカル思考」すなわち誤謬や誤解を見通す力、物事の本質を深く掘り下げて真実を探ってゆくことが出来る力、すなわち施行について思考できる力を養うこと。
若い人へのメッセージ「問題は解決可能だ」ということです。
第5章 ノーム・チョムスキー
新自由主義はファシズムを招く
人類共通の問題2つ
①気候変動②核戦争
この問題を人類共通の目的とすれば方向性のベクトルは一つにまとまれるかもしれないというコト?
テクノロジーの進化は社会の制度や信頼関係に対して揺らぎを大きくするだけで、解決方向に向かわせるとは限らない。
でも良い方向に持ってゆこうとする人の手助けにはなる。それが科学の恩恵で、絶え間なく前に進むということだけが許されていると考えれば…。
ネット社会を放棄できるか?
「問いを立てる」のにおすすめの本。インタビュアーに再度注目してゆく
信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています
