「MMT(現代貨幣論)とは何か 著島倉原を読む
副題 日本を救う反緊縮理論」
帯の広告
表
「財務省が今、最も恐れるMMT。
本書こそまさしくその本格的入門書だ!」
藤井総(京都大学大学院教授・元内閣参謀参与)
ü 日本の財政は危機ではない
ü 緊縮財政こそがデフレの要因
ü 消費税増税は「百害あって一利なし」
国会・日銀・財務省が今揺れている
第一部 MMTの貨幣論
第一章 貨幣の本質
第二章 預金のメカニズム
第三章 主権通貨国における政府の機能
第二部 MMT政策論
第五章 MMTの租税政策論
第六章 就業保証プログラム
第三部 MMTから見た日本経済
第七章 日本は財政危機なのか
第八章 日本経済に何が必要なのか
第九章 民主主義はインフレを制御できるのか
表紙裏
本書の内容
今、世界各国で議論を巻き起こすMMT(現代貨幣論)。誤解や憶測が飛び交う中、果たしてその実態はいかなるものなのか?
根底の貨幣論から具体的な政策ビジョンまで、この一冊でMMTの全貌が明らかに!
帯の広告に本格的入門書とあるが、この本は<MMT現代貨幣入門>の理論を下敷きに書かれており、引用も多いので先にⅬ・ランダル・レイ著MMTを読んでから入ることを進める。
理論的な背景はMMTそのものをバックにしているので「こう解釈する」とわかりやすいとか少しニュアンスのちがう言い方で表現するとこうなるとこうなるという表現である。
例えば(p144)にあるように<引用MMTによれば、現代の政府が発行している通貨は「税金などの支払い手段としての価値の裏付けを得ています。その中でも金や外化などに固定レートで交換することが約束されていない「主権通貨」を発行する政府は、最右の弁済も通貨の発行によって対応できるため、自国通貨建てであれば無限の支出能力を有しちぇいます。>とまとめているがこれはMMTに書かれている内容そのものであるから。
ゆえにMMT(現代貨幣論入門)を先に読んでおいたほうが良い。
優れているのは「サブタイトルの日本を救う反緊縮理論」とある日本の分析と解決策の提示のある第三部部分だろう。
GDPに対する債務比率が世界最高水準の「不健全さ」に対する欧米の格付け会社が日本国債の格付けを相次いで引き下げていることに抗議して財務省が2002年行った意見書がP204に載っていてMMTを表向き否定しつつ、一方ではMMTと全くと言っていいほど同様な主張を行っているという事実はMMTの正しさを強く示唆していますと…著者は紹介しています。
その結論として日本のように変動相場制を採用している主権国通貨には、デフォルトや通貨危機のリスクは存在しない、というMMTの主張が妥当であることを示しています。
著者の説得(P216~p219)
図:日本の部門別貯蓄投資バランス(名目GDP比)とGDPデフレーターの推移
図:米国の部門別貯蓄投資バランス(名目GDP比)とGDPデフレーターの推移
(1960年~2019年)
1991年代法人企業の過剰設備がバブルを主導し、それがインフレ率のピーク形成につながったと見て取れる
経済全体の収支バランスやインフレ率を主導しているのは企業の投資意欲であり、それが極端に低下した状態が続くことでもたらされるのが日本のデフレ、そして財政赤字の拡大であると考えられるつまり、財政赤字の拡大は政府の過剰支出やインフレを示すどころか、むしろ「企業の過小支出=デフレ」を示す指標であり米国もおおむね同様な傾向がみられる。
生産力や雇用、そして投資を縮小しようという空気が支配的になれば、新しい技術や事業にチャレンジしようという意欲も全体として低下します。
「日本は産業の新陳代謝が進まず、国際競争力も低下している」といった議論に触れる機会は少なくありませんが、そこにはこうしたデフレによる活力の低下が強く影響していると考えられます。
こうしたデフレのメカニズムの恐ろしさは、放置すれば自己増殖する構造を持っている事です。
MMT理論から考える日本への処方箋 ケルトン:ニューヨーク州立大学教授
金融政策よりも財政政策の方が、効果が大きい。
政府の支出を削ろうとする緊縮財政が、日本経済の伸び悩みをもたらしている。
金融政策だけでは物価をコントロールできず、デフレを脱却できない。
著者のまとめ(1990年代以降の日本経済は…中略6項目にまとめられている)が日本固有の歴史や納税に関する意識を含め地についた分析になって居て具体的な問題提起となっている。
GDPが止まったということは、企業部門全体として、国内での利益成長見込みがなくなったこととほぼ等しい。当為現状を踏まえて新しいと言えるか少なくとも主流派ではない経済学と自称している人たちが問題解決に関する大きな一石を投じている。
この事は間違いない
日本に関してクルーグマンもサマーズも財政政策の方が有効と考えているようだ。
この事に関しては「追われる国の経済学」でも議論となっている。
学問はその中で理論的矛盾は許されないだろうが、行為者は使える部分をつまんで活用することも許される。
多くの人が気づかないうちに財政破綻はなく、政府は最後の借り手などと言い出すかもしれない。
その時に問題なのは最後の借り手が次の時代に何を残すと決めて動くのか、それは皆が残したいモノに意見を集約するという議論があってよいのではないか?
爪を立てる。
第三部以降は著者の文も生き生きしているように感じると言ったら失礼か?
帯広告に「本書こそまさしくその本格的入門書だ!」とあるが「MMT現代貨幣理論入門」を引用する入門書って…なんか変に感じるのは…変?
解説書にしては著者の意見を述べ津ための下書きの様な気がするし‥どんなもんだろう。
MMTも本書も主流派経済学者を相当意識しているように感じるのは経済学という枠の中の学問的対立というより権力闘争?・・・・だとすれば結構なことで、そうした闘争の中から良いものが生き残るという第三者の感想は不誠実な部分がある。
学者はより説得力のある理論を構築するところに存在意義があるが、それをうまく活用し政策として実現する行為者は別の次元で動くのだろう。そうした二種の動きをチェックしたり、理解したりしながら二者とは別の価値観で動く、例えば投資家がいれば世の中もっと良くなるそんな気がする。
信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。
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