行動経済学の使い方 著大竹文雄」を読んで考える

 

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ナッジで意思決定をより良いものに

人間の意思決定は合理的なものから予測可能な形でずれる。

逆に言えば、行動経済学的な特性を使って、私たちの意思決定をより合理的なものに近づけることができるかもしれない。(本書「はじめに」より)

表紙裏

学ぶだけではもう足りない。

研究と応用が進み、行動経済学は今や「使う」段階にきているのだ。

本書では「ナッジ」の作り方を解説する。

人間の行動特性をふまえ、自由な選択を確保しつつ、より良い意思決定をうながし、より良い行動を引き出す。

その知恵と工夫がナッジだ。

この本を通して、行動経済学の応用力を身につけよう。

 

行動経済学を身につけるのではなく「使う」ための応用力を身につけようと言っているだけあって、密度濃く凝縮された内容はまとまっていて、基礎知識が効率よく収録されている。

個人的問題と社会的公共問題にまで応用例が示されていて非じぉゆにわかりやすい本。

専門用語を検索すればほぼこの本で行動経済学の輪郭は理解可能ではないかと思えるほど完成度の高い本と感じられる。

 

爪痕を残す。

最初に行動経済学の本を手にしたのが(残念ながら訳本として)1998年の「市場と感情の経済学」で同じ出版社から2007年に行動経済学入門として出版されている学問。

つまり10年くらい日の目を見なかった学問をダイヤモンド社が再度挑戦して日本に定着化をはかったと言えるかもしれない学問体系だと思う。

なぜこんなにしつこく書くかと言えば、内容が同じ本なのに両方とも買ってしまった反省があるからで、その反省としては、出版社はある程度の理想(この学問は必要と判断した)と、10年経ってニーズはあるぞという営業センスがあったことを評価したいと考えている。

そして著者リチャード・セイラー教授は2017年ノーベル賞を受賞している。

アメリカでどれほど行動経済学が活用されているか知らないがリチャード・セイラー教授はもう回想の期間に入った。(最近著書行動経済学の逆襲で)

今やっと行動経済学を使う段階にきているのだとこの本の宣伝にある。

そこで、著者には失礼だが学問的に行動経済学のキャッチアップに日本はどれくらいの時間が必要だったのか、そしてどう実践されているのかを付け加えて欲しかった。

ある個体の「知」は何時か創造者の域に近づき「知」は平坦化できるかもしれない。

しかし今とどれくらい時間がかかるのかが大きな問題となっている。

行動経済学を切り拓いたセイラー教授の後を追う人との間にどれくらいのタイムラグがあるのか?

この本が暗に問題提起している。

最近の経済関連で言われているのは<先行者総取り>で昔のようにキャッチアップしてもほとんど<御余り>はない。今、何より大切なのは時間であって、<買えるなら時間を買う>というⅯ&Aが流行って次のステップに進もうとしている。

何事も、切り拓いてゆく姿勢を大切にしたい。

そこに失敗例も、問題点も蓄積されて先行者利得の総取りがあるらしいから。

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。

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