「バースト!人間行動を支配するパターン 著アルバート=ラズロ・バラバシ」を再読する
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表
あなたが次に何をするかは、すでに予測されている?
『新ネットワーク思考』で時代をリードした著者が、人間行動の予測可能性に大胆に迫る!
9・11以後、テロリストの嫌疑でFBIに追われ続ける芸術家から、アインシュタイン中世十字軍騎士の行動まで、すべてがバーストに亜宿られていた。
裏
「大学の講義を聴いているというより、パブでビールを飲みながら、ものすごく頭に回転のいい友人から、にわかに信じられないような逸話を聞かされているような気分だ。」…SEED Magazine
「バラバシの、全く異質なプロットを一つに纏め上げる能力には舌を巻く。好き嫌いはあるだろう。それでも僕はあえて言おう『そこで投げ出すのは損だ』と。彼のランダムに見える人間行動には必ずバーストという現象が生じ、それが次の行動を予測するヒントになぅっている仕組みを本書の構成で表現しているのだ。」
…Matt(テクノロジー系ブロガー)
表紙裏
巨大ネットワーク企業が「ビッグデータ」を駆使して、顧客の購買行動を予測できるようになったのはバラハシの「新ネットワーク思考」を実践に移した結果である。
今回のテーマはパターンなどなさそうな人間行動に出現する「バースト現象」だ。
「バースト」とは短期間に集中して何かを行うことで、その後には長い沈黙の時間が訪れる。
そしてそれはすべての人間に当てはまる行動パターンだ。
人は自分が数学的に解明される生き物だとは思っていないだろう。
しかし、中世の十字軍の人並外れた行動にも、アインシュタインが各手紙の頻度にも、そして現代人のeメール送信にも、皆バーストのパターンが現れていた。
著者のアルゴリズムによる解析が、その衝撃の結果を今明らかにする。
複雑な数式を一切使わずに最高の複雑ネットワーク理論を展開する、知的好奇心を大いに刺激する一冊。
監訳者あとがきの中から
本書は「新ネットワーク思考~世界の仕組みを読み解く」で一躍世界の注目を集めた複雑ネットワーク研究者、アルバート=ラズロ・バラバシがその後10年を経て世に問う渾身の第2弾である。
前著では、現代のキーワードの一つであるネットワークを多面的に紹介し、多様なネットワークに共通する性質、特にその強さや弱さを明らかにすることにより、現代ネットワーク・リテラシーを提供する本として多くの読者に歓迎された。
その原橋がこの度挑んだテーマは「人間行動の予測可能性」である。
科学者たちは、自然界のさまざまな現象を理解し、予測し、制御しようと努力を重ね、多大な成功を収めてきた。
しかし、個と人間の行動となると、あまりにも複雑すぎるため扱いきれないとされていた。
また、一個人としての立場からいえば、自分の行動はプライバシーに属する事なので予測されたら気持が悪いし、悪用されたら困ると思う。さらに哲学的な観点からすると人間が自由意志を持つ存在なのだから、予測をしようなどという試みは原理的に不可能だ。(中略)
本書では、データの質と量が、しるしのついたドル紙幣の追跡記録、携帯電話の通話記録、そしてスーマートホンから得られる情報という具合に…向上するにつれ我々の行動パターンの特徴が明かされてゆく過程が生き生きと描き出される。そして様々なデータに共通して現れたのは、ランダム性にもとづくポアソン分布ではなく、ベキ法則だった。そしてベキ法則が成り立つところではバーストに出現が予測される。なぜなら、ベキ法則が成り立っているということは、例えば「メールは立て続けに送信されることが多い」という状況と「何時間も送らない空白空間があるという状況とが、共存していることを示しているからだ。(中略)
」バーストは優先順位付けと結び付いているのではないだろうか?人生は時間不足との戦いだ。人はたまっていた仕事を処理する際に、先着順ではなく、何らかの重要性にもとづいて優先順位をつけている。それがバーストを引き起こしているのでは?
人間の行動は没個性的で、かなりの程度まで予測可能であるらしい。そしてその予測可能性は、データと調査手段の改善で増大しつつある。その一方で、社会的出来事の予測はいまもほとんどできないままだ。
それでもなお、何がどこまで予測可能なのか探ってゆけば、多くの知識が得られるに違いないと著者はいう。
しかしその知識はどのように利用されるのだろう?悪夢のようなおぞましい未来社会が末受けているのだろうか?ビッグデータの時代に急速に開かれつつある眺望を前にして、著者はたじろぎも感じている。
だが人間行動や社会現象について思い込みや迷信ではない、確かな知識を得ることは、人間社会にきっと役立つはずだ。いや役立てなければならない。と著者は決意を新たにする。「いつまでも人は、リーダーの気まぐれに付き合わなければならないのだろう」とバラバシは心情を吐露する。
監訳者の引用が長いのは、新ネットワーク思考の監訳者でもあり、著者の言いたいところを纏めてもいるのでそうなった。バーストは一気に読むにはわかりにくい本だと感じる。これは私の力量不足だが、帯広告に「好き嫌いはあるだろう。それでも僕はあえて言おう『そこで投げ出すのは損だ』と言わせているのはやはり中世のトランシルヴァニアの十字軍の話を組み込んだからだろうと思う。
普段論文を書いている人が一般人の読み物用にトランシルヴァニアの話を入れたとすると…ウーン難しい。
この本に感じる個人的な分かり難さ以外にどう爪を立てるか?
著者はプライバシーの変化を認めている。
個人の行動をビッグデータで分析され行動を予測される。加えて監視カメラで現状は補足されている。
「社会的出来事の予測はいまもほとんどできないままだ」と著者はいう。
「みんなが平和のうちに人生をまっとうできる世界を目指したい」そうするための知識なのだろう。
そのための優先順位付けをどう効率よくやってゆくのか?
そして何より、ビッグデータを活用する側、監視カメラを見る側とどう競争してゆくのかそれを読者にバトンタッチするのか、次の著作で具現化するのか気になる。
人生は時間との戦いで優先順位をどうつけるか?リーダーの気まぐれをどう処理してゆくのか?
テーマはバラバシが切り拓いた先により大きくなって覆いかぶさりそうになっていないか?
信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。
