「ジェントロジー宣言 著寺島実郎」を読む

 

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100年をどう生きるか自分の生き方を見つめなおし、教養をアップデートせよ!

ジェントロジーという新・学問のすすめ

体系的な学びを通して、個人と社会システムを変革する。

私は「高齢化によって劣化する人間」という見方を共有しない。」

もちろん、老化による身体能力の衰えを直視する必要はある。

だが、人間の知能の潜在能力は高い。

心の底を見つめ、全体地に立ってこそ、美しい世界の在り方を見抜く力は進化しうる。

「知の再武装」を志向する理由はここにある。

異次元の高齢化を乗り越えろ

表紙裏

ジェロントロジーとは、高齢化社会のさまざまな課題を解決することを目的とする学際的な学問。

体系的な学びを通して、自分の生き方と社会の在り方を変えてゆく。

今なぜジェロントロジーが必要なのか?

異次元の高齢化社会を生きるための「知の再武装」とは?

現実と向き合い、知的格闘を続ける著者が熱く語る、新学問のすすめ.

 

最近出会った本、ファクトフルネス

「あなたの常識は20年前で止まっている!?」は最新データを判断材料のベースにするよう求めていた。

これは人間の思い込みがいかに強く、常識とかけ離れやすいことの警告の上にあった。

引用P278

そして物事がうまくいくということは社会基盤とテクノロジーという2種類のシステムだと思ったほうがいい。

と言っている。

データ活用とは違うが、同じような警告がこの本から発せられる。

想定しているのは60歳定年でその後の人生をどう生きるかの中から高齢化社会にどう生きるかという構成になっている。

序 ジェロントロジー宣言

第1章 異次元の高齢化社会とは

第2章 最大の課題・都市郊外型の高齢化

第3章 知の再武装

第4章 ジェロントロジーへの新たな視界

第5章 高齢者の社会参画への構想力

資料編

1 都市郊外地域

2 NPOの現状

3 海外におけるジェロントロジー研究

 

著者の想定している現高齢者は、終身雇用を前提に雇用されてきた人を想定している。

終身雇用を前提として社内教育・研修を受けていない比率は優位に多くなっているはず。

その人たちは自分で自分に教育を課す必要がある。

そのためのツールとしてもこの本は役立つと思う。

つまり、定年退職者だから「知の再武装」を行うのではなく、意識して現役の人も

大いに役立つと考える。

これはある意味、リベラルアーツの世界であり、著者の考える対象は定年退職者に焦点を当てているように感じられるが、職業を持つ人も含めたいわゆる学生時代を卒業した人すべてが、対象者に思える。

 

問題は今定年を延長して返金支給を遅らせるなど高齢者を福祉、年金、介護などの社会的なコストとして負担を減らすという社会的コンセンサスが出来上がってしまう。

「すると、知の再武装」などする必要のない社会になってしまうのではないかという疑問が生じる。

現役で活躍している人の末路はこんなもので良いのか?という疑問が生じる。

今いる定年退職者は木に竹を接ぐ様な人生を送るよう見える。

今現役の人がもし70歳定年となれば、組織の新陳代謝は遅れ革新的な芽が出にくくならないか?

もしそうなら、現役時代から「知の再武装」を行うべきだ。

今携わっている仕事から得られるスキルとは別に、能動的にリベラルアーツを身につけることが求められている。

仕事一辺倒だとか言わず、多面的な人格が求められていると考える。

 

この本の特にP197~P205の「知の再武装」のためのブックガイドは一度目を通す価値がある。

何故か?それは寺島実郎という著者がどんな本に価値を見出しているかを知ることができる。

その中に自分と会うものが全くなければ、著者と読者の相性(価値観の優先順位)は悪いとしか言いようがない。

 

前の本に対するオマケ

「平成論 生きづらさの30年を考える」という本を読んだときに感じた,ちょっとした「イラッ」感はこれだった。

人は一般的にものを考える「からだ・心・おかね」の事だろう。

(ジェロントロジー第4章ジェロントロジーへの新たな視界―体・心・おカネより引用)

平成論は、その中の心の部分に集中している。

リベラルアーツを考えるなら平成論著者4教授もそれぞれジェロントロジー宣言の「知の再武装」のためのブックガイドのようなものを巻末につけてくれたら読者としてすごくうれしい。

 

あえてこの本に爪痕を残すとすれば

なぜ今なのか?

20年前に出してくれていれば、団塊の時代の定年退職者に大きな目印となったと思え、

それが残念。

これは「歴史的拘束にとらわれる」と言うしかない。

 

 

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。

 

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