「歴史という教養 著片山杜秀」を読む

 

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表紙裏

「歴史」が足りないと、言葉は安っぽくなり、行動は独りよがりになり

前例を知らないで何でも新しいと錯覚し、

思考が厚みを持たないので場当たり的になり

刹那の変化に溺れて、忍耐も我慢も欠いて、とんでもなく間違える…

歴史に学べと言うが、先行きの見えない時代の中で、

それは一体どういうことなのか……

博覧強記の思想史化が説く、これからの「温故知新」のすすめ。

 

著者は温故知新主義者だと言う(P223)

私は自分の能力に限界があるのはよくわかっています。

良いわけですが、理解できないと言うか、本当にどう判断したらよいのか苦しむ本でした。

引用

P168では歴史はどう切り分けて何を背骨に見るかによってどうともいえるものです。

疑問……ある程度の共通点を見つけ出しておかないと歴史を学ぶということが出来ないのではないですか?

引用

P220では我々は歴史に束縛されている。

歴史の歴史たる所以は偶然性にある。

偶然とは確実性や予定性や法則性がないから偶然である。

我々が歴史に束縛されているということは、偶然に束縛されているということ。

偶然の奴隷であるということは、つまり自由なのです。

偶然は何物をも拘束できない。

何者の運命も決定できない。

したがって、偶然に支配された我々は、自由に投げ捨てられて存在しているがゆえに、自由に投げることもできる。

疑問・・・・・この自由って何ですか?

偶然の中に何か教わることはあるでしょうか?

 

I引用

P105数学の支配する資本主義は歴史を忘れさせる。

アメリカから始まって歴史がなくなりはじめる。

今日の数字に対して「組織的・技術的」に対応するだけで飽和して毎日が終わるのです。

神に歴史がないように、神に人間理性を代入した近代啓蒙以降の時代にも歴史がうしなわれてゆく。

近代啓蒙と資本主義はコンビを組んでいる。

これはもともとそうです。

P106理性信仰が啓蒙主義を生み、啓蒙主義はなんでも数量化して裁定すればよいという意味での合理主義を生んだ。

理屈になった世界は人間の理性の計算でいつも生み出せ、管理できるのだとしたら、歴史に立ち返って、教訓を得ながら、希望と不安に引き裂かれて悩み続ける「温故知新」の態度など、大変時代遅れに見えてしまうでしょう。

けれど、理性主義の地震など、近現代においてはやはりたかが知れていると言わざるをえません。

歴史がそれを証明しています。

 

疑問

片山杜秀という著者は歴史的.な拘束をどうとらえるのだろう。

 

マルクス・ガブリエルは「欲望の時代と哲学する」ではこう言っている。

P64民主主義は単なる情報を処理する仕組みにすぎない。

つまり基本的に官僚制度であること。

そして民主種政治は、法律のルールに拠るところが大きい。

つまりこれらの文書を扱うルールや社会的な取引は法律によって支配されている。(中略)

法律のルールこそが人の行動を形づくるからだ。

P66民主主義にはもう一つの層がある価値制度、価値の体系、そして連帯。

こうした枠つくりのモデルとしてのどの大戦を経験したドイツ社会はP174歴史を振り返る時、ドイツ社会は全体として、失敗は「非人間化」の性だという見方が定着しています。

収容所は非人間化の結果だと。

 

マルクス・ガルブレイスは西洋」「東洋」を超え普遍性を追究せよと言っているが

「法律のルールこそが人々の行動を形づくる」という考えに対し著者片山杜秀のように著者の知識が縦横無尽に雄飛する「一人遊びの本」のように感じる

「積み重ねる西洋」と「流れる東洋」と言ってよいのであれば

歴史が韻を踏んで人の既視感をもてあそぶなら、片山杜秀流の「民主主義が歴史的にどんな役割を果たしてきたのか」を見せて欲しかった。

そんな感じで読み終わってしまいました。

 

この本に関する個人的なマトメ。

著者片山杜秀の「温故知新」というキーワードで教養を語る本。

著者の前書きにあるように

リベラルアーツをよく学べば、世界の一通りが理解でき、その意味で「人を自由にする書物」を狙った本。

「教養としての歴史」とは何かと挑戦している本。

個人的な感想

個人がリベラルアーツを身につけるには「導く船頭」や、「足元を照らす提灯」や、「先人の肩」や、人それぞれに合っためぐり逢いというか、助けが必要なのではないか?

教養を学ぶことに先行して専門教育を受けた現役の人が、人生の途中で燃え尽きないための支えであったり、ふと立ち止まって休むベンチであったりする。そんなオアシスのようなものが、世の中に有ったりすると豊かになる気がする。

そんな何か固いものは残りませんがフワッとした気にさせる本でした。

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。

 

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