「理不尽な進化 遺伝子と運の間 著吉川博満」を再読する

 

帯広告

進化論の面白さはどこのあるのか、なぜそれが専門家の間でも極端な論争を呼ぶのか、本書は見事に説明する。[…]近年ここまでよくできた思想史を読んだ覚えがない。

養老孟司氏(毎日新聞)

おー。進化論におけるグールドの敗北を明記したうえで、その敗北を救うだけでなく、それをぼくたちみんなが抱える問題の鏡として使い、進化論やあらゆる学問の基盤にまで迫ろうと言う力業

山形浩生氏(新・山形月報!)

一見難解な理系との間の境界領域をやすやすと遊弋し、エンタメまじりに楽しむ知的な書き手が現れたこと。[…]広義の「進化」イデオロギーから自由な、成熟した歓声がここにあること。

加藤典洋氏(共同通信)

博学多才で、文章は機知に富んで良く笑わせる。肝心なのは彼がその本質をぐいと掴んで綺麗に並べて見せること。

池澤夏樹氏(週刊文春)

哲学的・随想的逸脱も恐れず、この理不尽さ向き合った結果、さわやかな無常感が浮かび上がってくるのが面白かった。

島田正彦氏(朝日新聞)

乗り越え、不可能な哲学ダーウィニズムと私たち

この本は昨年の私的ベスト5に入る良書です。科学書ではなく「進化論」という老樹を権に冠ぶり、試作に遊ぶ粋な哲学書です。

池谷祐二氏(読売新聞)

資料を博捜して、論争のもつれを解き、一般人に伝えるにはいい位置にいるし、真摯な態度には好感が持てる.[…]久しぶりに知的刺激を受けた好著である。

金子勉氏(週刊読書人)

「今年の3点」に選出

池澤夏樹氏(毎日新聞)柄谷幸人氏(朝日新聞)長野敬氏(東京新聞)

深化が私たちに呼び覚ます「魅惑と混乱」の源泉を科学と人文知のせぅっ店で掘り当てる、近代思想の冒険的考古学!

これは進化論を理解しようとする本であるとともに、私たち自身をよりよく理解しようとする試みでもある。(まえがき)

 

多くの人の一言をこれだけ集めて並べるには相当な費用もかかっているはずで、顔触れと推薦文を見るだけで朝日出版社の力がどれだけ入っているか示す本でもある。

推薦文を読むだけで内容の大まかなところは判ってしまうのではないかと思わせるが、幅広い見識で上げられた一つ一つを検証するには著者以上の興味と執着心がなければ挑戦できないと思える、深い内容を備えている。

ゆえに、推薦者の誰も内容に関して具体的なコメントは控えている。

 

内容は

序章 進化論の時代

第1章 絶滅のシナリオ

第2章 適者生存とは何か

第3章 ダーウィニズムはなぜそう呼ばれるか

終章 理不尽に対する態度

 

著者のテーマはP86の、(進化論を)私たちの通俗的理解が理不尽さを避けて通っているという事実そのものが解明すべきテーマとなる

P238でダーウィンは、自然が今あるような姿になったのは、あくまで結果にすぎないとした。

目的を持たない自然淘汰のプロセスが結果としてそれをもたらしたのだと。

こちらはボトムアップであり、非目的論的である。

このようにダーウィニズムは解読作業をひっくり返したのである。

社会で通用しているダーウィニズムとは進化が目的を持っているように捉えていることを著者は問題視している。

 

あとがきでP419どうも私は徹頭徹尾、新しいものを生み出すのではなく、自分の納得のためにだけ本を書いているようなのである。

 

この本を個人的にまとめれば

ダーウィンの進化論・自然淘汰説に関して著者が感じている問題点とは自然淘汰説には目的はない理不尽な淘汰があるだけなのに、社会的に例えば組織内で出世する手目にはこんな方法がとか話し合っているグループもあるがそんな使い方に著者は疑問を感じる。

数ある選択肢の中で残ったのが今あるモノなのに、これが残るためにはという主客逆転が起こっていることを問題視している。

 

理不尽な絶滅ということが歴史上起こっている。

それをワンダフルライフでスティーブン・ジェイ・グールドが書いている(著者は生物種の99.9%は絶滅する例として取り上げる)

グールドは進化のメカニズム(自然淘汰)と生命の歴史(生命の樹)の論理的な独立性と平等な関係は、進化論(ダーウィニズム)が進化論であるための条件を認めているのに、偶発性の重要性を認めていた。

それなのに偶発性以上の何かがあるように言ったことで自ら首を絞めたと著者は言っている。

こだわって、もっともっと深く掘り下げている。

特にこの本に関しては、帯広告に注目することが有効だと自画自賛しています。

 

 

この本の中で残った言葉

地上に現れた生物種の99.9%は絶滅する

進化≠進歩

進化論の特異的魅力は中間的性格にある(過去研究と現在研究、特定連鎖研究と普遍研究、精神研究と自然研究の3つの対立軸)

 

1993年{ワンダフルライフ:パージェス頁岩と生物進化の物語」の訳本が発売された。

この本「理不尽な進化:遺伝子と運のあいだ」が出版されたのは2014年

「ダーウィンが信じた道:進化論に隠されたメッセージ」の約本が発売されたのが2009年と進化論の話は当分終わることはなさそうです。

素人の私にとっては、進化論についてもう少しサクッとまとめてくれる専門家、いないのでしょうか?……というのが最後の感想です。

 

 

 

信頼とは何かを考えながら、書籍を媒介にして、生涯学習が行動の糧とするような前向きな発言を心掛けています。

 

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