「ビッグ・クエスチョン<人類の難問>に答えよう」を読む    

著スティーヴン・ホーキング

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<人類の難問>に答えよう

スティーヴン・ホーキング タイムトラベル、宇宙移住、AIvs人間=希望の未来を拓く!最後の書下ろし

<世界100万部超、40カ国で刊行決定>

ニューヨークタイムズ紙、サンデータイムズ紙 NO.1ベストセラー

ガーディアン紙、フォーブズ誌、ワイアード紙「2018年のベストブック」選出

私は本書に取り上げたビッグ・クエスチョンを考えると胸が躍るし、それらを探求することの情熱をかけている。

その興奮と情熱を皆さんに伝えたいのだ。

大切なのはあきらめない事だ。

創造力を解放とう。より良い未来を作ってゆこう。(本文より抜粋)

 

「世界で最も優れた科学者」と名高いホーキング博士が生涯をかけて挑んだのは誰も解き明かしていない究極の問い(ビッグ・クエスチョン)だった。

「宇宙の始まりとは?」「人類は地球に住みつづけるべきか?」「AIは人間を超えるか?」など10の質問に、ウイットを交えながら明快に答える。今を生きる私たちへのメッセージが詰まった、博士からの最良の贈り物。

10のビッグ・クエスチョン

1.      神は存在するのか?

2.      宇宙はどのように始まったのか?

3.      宇宙には人間おほかにも知性的生命が存在するのか?

4.      未来を予言することはできるのか?

5.      ブラックホールの内部には何があるのか?

6.      タイムトラベルは可能なのか?

7.      人間は地球で生きてゆくべきなのか?

8.      宇宙に植民地を建設するべきなのか?

9.      人工知能は人間より賢くなるのか?

10.   より良い未来のために何ができるのか?

ここまでがオビト表紙の広告

 

10個のテーマのうち1つでも興味があるかホーキングの名前で売れるのかわかりませんが、私にとってもビッグ・クエスチョンです。

残念ながら一つ一つのテーマを掘り下げるほどの力量はなく、興味の優先順位も低いので、興味本位で読み、自分との対話として確認できたことを書き留めることにします。

この本が与えてくれたモノ

l  大きな問いとはこういうことだと教えてくれ、読者の力量に合せて答えがあること。

「そういうことなんだ」と「答」のように暗記して信者になってしまう恐れあり

l  私たちの住んでいる宇宙は科学を使って発見し、理解することができる合理的な法則に支配された宇宙だということで、そこから導き出されるのは「知」が世界の共通言語として耐えられそうだということ。

l  具体例として著者は下記の例のようなことを言っているが専門家から異論が出ないという事は、深く理解していない人もこれを共通言語として使用する事になる。

l  宇宙を創る3つの要素、物質、エネルギー、だだっ広い空間、

l  生命は「無秩序に向かおうという傾向に逆らって存在し続けることのできる、複製能力をそなえた秩序ある系」と定義することができる

l  生物の2つの要素

①     遺伝子(生きて繁殖する方法をその生命体に教えるための指示)

②     代謝(それらの指示を実行に移すためのメカニズム)

➡コンピュータ・ウイルスは生命だとみなすべきだと著者は考える

 

l  地球はあまりにも多くの領域で危機に瀕しており、著者が明るい展望を持つのは難しい

ホーキングが考えている今の人間像

人間に対して遺伝子工学を応用することを禁止する法律がおそらくは通過するだろうが、記憶容量や病気への耐性、寿命といった特徴を改良したいという誘惑に抵抗できない人たちがきっといるに違いない。

政治家の多くは世界が一連の重大な環境危機に直面している時に、気候変動が人間活動によって引き起こされた現実の問題であることを否定するか、あるいは少なくとも、人間にはその進行を逆転するだけの力があることを否定している。

人類の進化が新しい段階に入ったが、今の人間では知識のほんの一部しか習得できないし、本能である攻撃衝動をいまだに持ち続けている

 

l  人間は進化の新しい時代に入ったと考える理由

人間の内部で起こる生物学的進化の速度は、1年間に1ビットほどだ。一方英語で書かれた新刊本は1年間に5万点に上り、情報量はざっと1千億ビットになる。ゴミになる部分を除いても有益な情報が加わる速度はDNAの場合の10億倍とは言わずとも100万倍にはなる。このことが意味するのは、私たちは進化の新しい時代に入ったという事だ。)

l  AIの本当の危険性はそれに悪意があるかどうかではなく能力の高さにあるが、AIの性能が上がって加速的に自らを再設計できるようになると、生物的進化に制約された人類はこのままでは太刀打ちできない。

そこで著者の提案するのは、人類の進化にはDNAによるものだけではなく、外的に伝達される情報も含めるのが合理的なのではないだろうか?

l  科学の進歩が約束するのは良し悪しの振幅の幅を大きくするという事であって、良くなるとは約束してない。

l  なぜ宇宙開発に乗り出さなければならないのか?という問いの答えとして、「私たちを自分たち自身から救い出す唯一の方法なのかもしれない。人類は地球を離れる必要があると私は確信している。もしもここに留まれば、私たちは絶滅の危険を冒す事になる。」と答えている

 

勝手に作った私のホーキングストーリー。

1.      人類が地球に住むには狭くなりすぎた

2.      人類が滅亡しないためのリスク分散が必要である。

3.      宇宙開発を人類の目的とすることで、いろいろな問題を解決することができる。

リスク分散であるとか人間の開拓精神を呼び起こし、一つのベクトルにまとめ上げる。

4.      人類は新しい段階に入った。「知」が増えてゆくスピードに動物である人間が消化しきれない。

増える複雑さや宇宙旅行に挑戦する為には心も体も改良する必要がある。

 

5.      生物学的なものと電子的なものの両面で、複雑さが急速に増大する未来が予想できる

コンピュータが知性を持てばおそらくは自分自身よりもはるかに複雑で高い知性を持つコンピュータがデザインできるようになる

1000年後、もしも私たちがそんな未来まで到達できればという条件をクリアすれば、変化は根本的なものとなるだろう。

 

この本では取り残されている問題。

どんどん複雑になる世界に対応しながら、宇宙旅行のような新しいことにも挑むには条件として人間が心と身体を改良しなければならないと言っているが、そこまでの合意は取り付けられるのだろうか?

それとも一部の人が勝手に決めて進んでゆくのだろうか?

スタートラインが見えない。

例えば、著者はいう。テクノロジーのパイオニア、ビル・ゲイツ(マイクロソフト)ステーヴ・ウォズニアック(アップル)イーロン・マスク(テスラ)がAIコミュニティには、リスク評価と社会的影響に対して意識的になるという健全な文化が根づきつつある。

2015年1月に私はイーロン・マスクと大勢のAI専門家たちとともにAIが社会に及ぼす影響について本格的な研究を求める公開書簡に署名した。

イーロン・マスクはこれまでにも、人間を超える人工知能は、予想もつかない恩恵をもたらす可能性が有る一方で、不用意な使い方をすれば、人類という種によからぬ影響を及ぼすだろうと警鐘を鳴らしてきたと。

 

FacebookのザッカーバーグCEOが最近「インターネットには新しいルール作りは必要だ」発言している。

フェイスブックがこれらの問題に取り組む責任があると信じており、世界中の議員とインターネット上の問題について議論することを楽しみにしていると述べている。

ルールを作る?ルールを決めるのは新技術を開発した当事者?誰と誰が議論して、決めるとすれば誰が決めるのか?

その先をどう導くのか?という問題に対する答えが必要になってくる。

ホーキングがビッグ・クエスチョンに答えながら宿題を残していると考える。

誰に残したのか?

例としてブレグジッドで揺れているイギリス。

メイ首相に<管理者ではなく指導者たれ(Newsweek 34 2019/04/02)>と投げかけた言葉があるが、指導者?リーダー?投票した国民?全員に問うている気がする。

科学の進歩は方向性のないものだし、それをコントロールするのは難しい。

核やCO2問題で人間が解決するという答えはなかった。

問題解決を科学で乗り越えようとしたホーキングが信頼したのは科学だった。

解決しなければならない問題に対し科学で乗り切る手段を呈示してくれた。

人と人との問題は宿題になった。

 

魚の群れをコントロールしている規則とは2つある

①正面に見える魚のあとを追うこと

②横にいる魚と速さを揃えること

これだけで結構餌にありつけたり、隠れ場所を見つけたり、捕食者を避けたりできるとレン・フィッシャーが「群れはなぜ同じ方向を目指すのか」で書いている。

群れに指導者はいない。

 

 

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