サブスクリプション(著テイエン・ツォ&ゲイブ・ワイザード)を読む

 

表紙・帯の宣伝

Subscribed

Why the Subscription Model Will Be Your Company‘s Future –and What to Do About it 

「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル

(アドビ、ネットフリックス、コマツ、フェンダー、ニューヨークタイムス・・・・)急成長を遂げる継続課金ビジネスの全貌と導入ガイド

サブスクリプションは単なる課金形態の変更ではなく、ビジネスモデルの変革である。

サブスクリプション・ビジネスの支援で世界をリードするZuoraの創業者兼CEOが初めて明かす!

物が売れず、全てがサービスとして提供される時代には顧客との長期的なリレーションシップが成長の鍵となる。

目次

第1部サブフリクション・エコノミーの到来

第1章 製品中心から顧客中心へ すべては顧客を知ることから始まる

第2章 小売業にまつわる誤解 古い「筋書き」を逆転させる

第3章 メディアの隆盛 新たな黄金時代の幕開け

第4章 飛行機、電車、自動車 サービスとしてのモビリティ

第5章 新聞・出版 かつて新聞を出していた会社

第6章 テクノロジー産業の復活 “魚”を飲み込め

第7章 IoTと製造業の攻防 モノを売る時代は終わった

第8章 所有から利用へ あらゆるビジネスに広がる成長機会

第2部サブスクリプション・モデルで成功をつかむ

第9勝 企業がサブ栗生ションモデルを選択するとき

第⒑章 イノベーション 永遠のベータ版にとどまれ

第⒒章 マーケティング 4つのPが変わった

第⒓章 営業 8つの新しい成長戦略

第⒔章 ファイナンス 新しいビジネスモデルの構造

第⒕章 IT 製品ではなくサブスクライバーを中心に置く

第⒖章 組織にサブスクリプション文化を根付かせる

 

ビジネスの目標がここまで来たというのが感想です。

著者は数年前に「フォーチュン」誌に投稿して

「特定の顧客のウオンツ(欲求)とニーズ(必要)に着目し、そこに向けて継続的な価値をもたらすサービスを創造することだ。と主張し顧客をサブスクライバーに変えて、定期収入(リカーリング・レベニュー)がもたらされる構造を気づくことだ。

この変化をもたらした文脈を、私はサブスクリプション・エコノミーと呼んだ。」と述べています。

この本は著者の言うサブスクリプションについての説得です。

確かにPCソフトに始まり、購入して自分のものにするという所有することから使うというサービスに変わってきていることを実感します。どれだけの量売れるかわからない、いつまで売れ続けるかわからないというビジネスモデルを安定した収入を得るビジネスモデルに変更できたのは技術革新という土台が出来上がったと考えます。

消費者がサブスクリプション・モデルを受け入れる態勢を整えるには

3段階の展開があったと提案します。

①   自分の財力で即購入することができずローンで買う車やマンションの時代があり、対象物は自分の主有物になった。(所有する満足感)

②   アパートの賃料、雑誌の定期購読 自分の所有にはならないが使用出来たり、定期契約化することで割安になった(借りたり、定期支払の合理性を受け入れる)

③   PCソフトのように所有することもできるが、サービスを買うことで常に最新状態にバージョンアップされている。(サービスとして受けるメリットを必要と感じる)

このように「所有する」から「サービスを受ける」に移行するには消費者としての受け取り方の変化があったと考えられる。

 

次に予定されていることは,定額で無制限に聞ける音楽、無限に見ることのできる映画を供給しているプラットフォーム企業はというのは今までに蓄積されたコンテンツを配送しているだけだったが、次のステップとしてプラットフォーム企業が新しいコンテンツを創り出すことにある。

 

従来のビジネスモデルから挑戦しようとしているのはいま車の残クレと呼ばれている販売方法や、レストランの食事を月回数無制限で一定額の会費で賄おうとする試みがある。どちらも目標は会員費の定期的種乳を狙っているが車の場合現状②と③の中間を狙っていて、その後シェアリングが進み完全な③段階になると思われる。

消費者を囲い込み定額会費をとるというのは、昔からある税金徴収によるインフラの提供と発想は同じだろう。その発想を考えたのはプラットフォーム企業特にGAFAと呼ばれる企業が、税金を徴収することを先に提示するのではなく、サービスの提供から始めて、疑似国家的な発想で会費をとるという順番で成功した。

GAFAの優れているところは税金徴収と同じように対象目標を薄く広くしたことで競争企業ができにくいつまり大きいことのメリットを金融業以上に独占化できることにあった。

 

 

問題点

Ø  マタイ効果(条件が整っている成功者・富裕者はますます成功して、そうでない人は逆にチャンスを奪われたり不利になったりするという経済的な現象のこと)が現れませんか?

物を大切にして製品寿命を延ばしたり、中古品を使うことでコストを下げたりして「自分のできるコスト削減の努力」を認めず、一括の使用経費にしてしまうと、差を縮められた手段を失う事になりませんか?

Ø  サービスは提供する側に顧客の情報収集が一方的に行われて提供する側の優位性が増し、組織と個人の情報の非対称化が進んでしまいませんか?

Ø  プラットフォーム企業の先行者利得が従来の製造業の持った特許権などよりも比較にならないほど強くなり、新しい形の独占の道を開いてしまいませんか?

Ø  サービスに対する価格をどう評価するのか顧客個々での対応はサービスを受けるか拒否するかしかなく交渉手段がないのではありませんか?

これは道路や水道と同じインフラとして捉えるべきで、公共物として扱うしかない。

Ø  サービスを受けるのにも技術が必要で教育にも関わってきませんか?

これは今まで以上に政治が調整するしかなくなるのではないでしょうか?

 

メリットは共通基盤を提供することで、その基盤を活用できる人たちは協働したり連携したり活躍の効率性が上がるでしょう。

此処では、サブスクリプションのメリットを活用できる人とそうでない人の差別は起こるが、クリヤーした人達の効率化は大幅に進むでしょう。

 

GAFAに代表される企業群はイノベーションを起こし、その便利さを追求し提供しながら自企業の成長と防衛のために掘りを作り成長してきたが、企業自身もその結果について理解していたとは思えません。

切り拓いて全力で進んでいる現状があるという感じがします。

ただここで継続課金制度に近い制度を持ち込み安定した収入を得て、既存の商業形態に食い込んだり、タグをつけた部品の寿命を管理したりすることで、公共施設、大型工場施設備、航空機や車のメンテナンス管理までできるように進んでゆくという事でしょう。

これは、新しいシステムが社会に浸透してゆく事が大まかに見えてきたのではないでしょうか?

何も持たない世界から、モノを所有する満足感を経て、使うことに特化する社会になりつつあると考えるのはいかがでしょうか?

 

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