新春浅草歌舞伎 | 趣味梟の部屋

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一羽のフクロウの独り言。

 今日千秋楽を迎えた新春浅草歌舞伎に、先日友人と行った話をしようと思う。

 

 第一部を見たので、演目は「戻駕色相肩」「義賢最期」「芋堀長者」の三つ。

 毎年正月に浅草で行われるこの催しは、若手俳優が中心となっている。そのため、僕の好みの玉三郎丈や仁左衛門丈、吉右衛門丈といった幹部俳優は出場していなかったのだが、その分若さと迫力にあふれる舞台であった。浅草公会堂には初めて行った。三階席であったが、歌舞伎座の幕見席よりも幾分舞台を近く感じる。そのため迫力があったというのもあるのかもしれない。

 なんといっても注目すべきは尾上松也丈の「義賢最期」。前半は丸本物で少々たいくつである(友人は熟睡していた)。が、最後の立ち回りは素晴らしい。矢が飛び交う中、長刀一本で大勢の敵をなぎ倒すのだが、やはりスケールと人物の大きさが必要であろう。松也丈の義賢にはほぼ違和感がなく、最大の見せ場でもある戸板倒しや仏倒れも、息をのむような迫力があった。

 「戻駕色相肩」では中村梅丸丈がいい。なんとも可憐だ。梅丸丈の女形は、美人というよりは可愛らしさがあふれる。

 「芋堀長者」は主人公の巳之助丈がはまり役。十月歌舞伎座の「吉野山」での早見藤太でも思ったが、この人の三枚目は最高だ。滑稽というより、三枚目の面白さ、があると思う。ところが、購入した筋書きを見ると、アンケートで「平成で一番の思い出は?」と聞かれたことに対する「生まれたこと」という短くニヒルな回答。この人の本性が気になる。

 

 浅草は二度目だが、やはり趣があっていいところだ。浅草公会堂にある名人たちの手形には大興奮だった。先代の芝翫さん、二人の勘三郎、古今亭志ん朝師匠と興奮冷めやらぬ。身長師匠は僕よりも少し小さな手。浅草に行った際には是非行ってみてほしい。

 

 

 

 

浅草メンチうまかった。