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《見どころ》

  二代目松本白 鸚
一、十代目松本幸四郎襲名披露口上(こうじょう)

 裃姿の俳優が舞台に並び、皆様に二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露のご挨拶を申し上げる華やかなひと幕です。

二、引窓(ひきまど)

 大坂で人気の相撲取り濡髪長五郎は、恩人を救うために人を殺めてしまい、母お幸のもとを訪ねて来ます。我が子との久々の再会を喜ぶお幸でしたが、そこへ家主である義理の息子、与兵衛が帰ってきます。皮肉なことに、父の跡を継ぎ代官に取り立てられたばかりの与兵衛の初仕事は、長五郎を捕縛することでした。しかし長五郎とお幸が実の親子であると気づいた与兵衛は、お幸の気持ちを察し、長五郎を落ち延びさせるのでした。
 実子と義理の息子の間で苦しむお幸と、その気持ちを察する二人の息子、そして与兵衛の女房お早。月明かりの差し込む引窓を巧みに使いながら、お互いを気遣う人々の苦悩と情愛を描いた情緒あふれる義太夫狂言の名作です。

三、色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ)

 浪人の与右衛門と腰元のかさねは、道ならぬ恋の果てに心中を約束した仲でしたが、与右衛門は土壇場で逃亡。追ってきたかさねと木下川の堤で再会します。川面に流れてきた髑髏に刺さった鎌を与右衛門が引き抜くと、美しいかさねの顔が、見るも恐ろしい形相に変化します。これは、与右衛門が行った悪事の因果。実は、与右衛門はかさねの母と密通し、義父を殺していたのです。与右衛門は義父を殺した鎌でかさねを殺しますが、今度はその怨念が与右衛門を襲うのでした。
 色模様から壮絶な殺し場に至るドラマ性に満ちた怪談舞踊を、猿之助のかさね、幸四郎の与右衛門でご覧いただきます。


口上は少人数でコンパクトに。

地方巡業と言うことで「江戸川区(地元)の皆様の…」

というフレーズが何度となく出てきて、

巡業のお約束なんだろうなァ、なんて思いました。

又、イヤホンガイドを借りたのですが、幕間は幸四郎さんの巡業先クイズが流れていて、

『江戸川区は東京都で一番、ある国の人が多く住んでいます。どこの国の人でしょうか?』とか

『江戸川区にある船堀タワーは東京の三大タワーの一つです(知らなかった!)。さて船堀タワーの展望台の入場料はいくらでしょう?』などなど。巡業でない限り江戸川区にはいらっしゃることは無いでしょうが…。

それぞれの巡業先で"ご当地クイズ"が待っている様です(笑)。


演目の『引窓』は、出演者全ていい人という珍しい(?)演目で、好きな作品の一つです。

「いつでもこの状態で!」とは言いませんが、気持ちの中に置いておきたい"思い"です。


次の演目は何とも変わった題名ですが、

腰元のかさね、両親を与右衛門に殺され収穫した豆を入れる籠に入れられて川に捨てられた所から来ているとか。川を流れてきた赤ん坊はその後、拾われて美しく成長しました。

何の因果か、母の仇と深い仲になるという物語は、本当にあったことなのか『かさね塚』があるそうです。どうもダーティーなキャラクターは惹かれるんでしょうね(笑)。

残念なことに蒸し暑さに負けてウトウトとしてしまい、一番の山場である

《ドクロが乗った塔婆が川を流れてきた》場面を見逃してしまった!

かさねの「これが私の顔!」という悲痛な叫びで目を覚ましました。

確かに醜く傷付いた顔…。この様な役は猿之助さんならではじゃないでしょうが?

何でこんなことに?

思うにかさねの父は義父で、連れ子であるかさねの体を使い仇を殺した様です。

もし、かさねが実の子だったら違ったかも。


衣装もかさねの襦袢の椛の柄が、まるで飛び散った血の様でした。解けた帯もまるで大蛇の様に与右衛門に絡み付くのでした。

中々、見応えのある舞台でした。