堕ちたBIGBANG、完全体の帰還は可能なのか
Newsen 2019.2.14
天下のBIGBANG(G-DRAGON、テヤン、TOP、テソン、スンリ)はどうしてこうなってしまったのか。
一時、BIGBANGのないYGエンターテインメントは想像できない時期があった。1996年に設立されたYGが2006年にBIGBANGをデビューさせるまでの10年間、Jinuseanや1TYMなどを送り出して注目されはしたが、YGが大手プロダクションに成長する過程でBIGBANGほど目覚ましい功績を立てた歌手は見当たらない。
出す曲をことごとくヒットさせ、国内外で熱く愛されただけに、YGの売り上げに大きな比重を占める所属アーティストもまた、グループのみならずソロとしても、北米など海外各地で大規模ツアーを開催できるBIGBANGだった。
2016年にデビュー10周年を迎えて「MADE SERIES」を発売し、国内外のCD、音源チャート1位を席巻したBIGBANGは、光り輝く10年の活動を回想しながら、もっと華麗な10年を夢見ていた。G-DRAGONは、2016年12月に「MADE THE FULL ALBUM」の発売記念インタビューで、「人々は過去を指して全盛期、クライマックスと表現する。僕たちは、幸せな悩みだが未来を考える。今回のアルバムがうまくいけばいくほど、次のアルバムはもっとうまくいかなければならないという考えが浮かぶ。昨日より良い今日、明日がBIGBANGのクライマックスでありハイライトだと思う」と語った。
しかし、2019年のBIGBANGは、再起不能のレベルだ。芸能人なのに、インターネットのポータルサイトの芸能面より社会面に名前が上がることがお馴染みの歌手になった。
2017年2月、メンバーの中で最初に入隊した最年長のTOPは、ソウル地方警察庁の楽隊所属義務警察として江南警察署で服務していたが、2016年に大麻を吸引した容疑でチームに致命的な打撃を与えた。2017年7月に懲役10カ月、執行猶予2年、追徴金1万2000ウォンの宣告を受け、義務警察の身分をはく奪された後、社会服務要員(旧・公益勤務要員)に転換されて、昨年1月から龍山区庁で服務中だ。
TOPの大麻騒動によって、2011年に起きたリーダーのG-DRAGONの大麻疑惑も再び俎上に上った。当時、G-DRAGONは、日本のあるクラブで、もらった大麻をタバコだと思い込んで吸い、警察の取り調べを受けた。検察はG-DRAGONが初犯でごく少量の陽性反応だった点を考慮して、起訴猶予処分を下した。以後、G-DRAGONは、SBSの「ヒーリングキャンプ、嬉しくないのか」などの放送に出演して大麻容疑をかけられた当時の心境を告白し、反省の気持ちを表したが、大麻疑惑はずっとレッテルのように彼について回った。
軍服務中であるG-DRAGONの場合、足首の治療を受ける過程でも良くない噂があった。2017年2月に入隊し、江原道鉄原の陸軍第3師団白骨部隊所属の砲兵として服務中の状況で、国軍病院の1人部屋に入院した疑惑、休暇使用に関する特恵の疑惑がかけられたのだ。これについて所属社側は、「特恵はまったくなく、特別室は病院に存在すらせず、正当な手続きと基準に従って入院した」として、「G-DRAGONが泊まった病室は、特別室ではなく小さな一般病室であり、これは面会訪問客が多い病院の特性上、周辺の騒乱と混乱を防ぐための適切な措置だった」と説明した。
テヤン、テソンが3月に入隊して誠実に服務している中で、スンリもBIGBANGの完全体活動の可能性を下げた。一人残ってソロアルバムの発売と芸能および映画出演、各種の事業を通じて、前例のない全盛期を謳歌していた彼の足を引っ張ったのは、クラブ事業だった。
MBCの「私一人で生きる」などでクラブ「バーニングサン」を経営中だと公表したスンリは、昨年11月、20代の男性金某氏がバーニングサンで暴行を受けたと告発し、またもやニュースの主人公になった。この事件は、1月28日のMBC「ニュースデスク」をはじめKBSの「9ニュース」などのニュース番組で連日集中的に報道され、バーニングサンは暴行問題だけでなく、麻薬類であるGHBを使った女性に対する性暴力疑惑にも巻き込まれ、批判を浴びている。
この問題の後、ずっと沈黙を守っていたスンリは、社内理事職を辞任した。3~4月に入隊予定なので軍服務に関する法令を遵守するために、クラブを含むすべての代表理事、社内理事職を辞任する過程だということだ。スンリは「ちょうど良いきっかけがあって広報を担当する社内理事を引き受けることになり、芸能人だから対外的にクラブを宣伝する役割を担当していた。実質的なクラブの経営と運営は自分の役割ではなく、最初から関与していなかった」と述べ、直接的な責任を回避したが、放送を通じてクラブの宣伝をして代表のような振る舞いをしてきた以上、最小限の道義的な責任でも負うのが当然だという声も高まっている。スンリは、16日の国内コンサートを皮切りに、23日シンガポール、3月大阪、ジャカルタで予定されている海外ツアーを行った後、入隊する予定だ。
BIGBANGの転落がいっそう寂しく迫ってくる理由は、彼らが一時、すべての人々のロールモデルだったからだ。たゆまない音楽的チャレンジと成長、これを土台とした良質の音楽とステージは、BIGBANGの最大の武器だった。WINNERとiKONなどYG所属の後輩歌手のみならず、多くの他社所属の歌手が、各種の記者会見とインタビューで「BIGBANGのような歌手になりたい」と口を揃えて語った時期があった。しかし、もはやBIGBANGをロールモデルとする歌手は見あたらない。
大衆も背を向けた。麻薬と交通事故など各種の過ちの中でもBIGBANGがずっと頂点を守り続けることができたのは、傑出した音楽性ゆえのことだった。しかし、軍服務による長期の空白期間が続いている状況で、聞こえてくるBIGBANGの噂は、各種の事件事故だ。BIGBANGを支持していた一部のファンも、一人二人と「オタク卒」を宣言して離れつつある。本業である歌手として卓越した能力を誇っていても、基本を守れなければ生き残っていけないことを、BIGBANGが確認してくれているあり様だ。