初めから、笑い通しだった。
何もかも彼のおかげ、というより、企みどおり。
仕組まれたコースに乗せられて、笑っているうちに酔わされて。
いえ、そんなに酔ってはいなかったはずなのにね。
オンラインでの付き合いだけは長い、彼と彼女。
顔を合わせるのが初めてとは思えないくらい、打ち解けておしゃべりは弾む。
修学旅行のノリそのままに、笑い転げながらお酒も進む。
ひとしきり飲んで、彼女が先にシャワーを浴びる。
待つ間も、ころころ笑いながらのお喋り。
でも、ほんとはドキドキしていて何を喋ったのか思い出せない。
だって、平気な顔をしていたけれど、初めてなんだもの、こういうコト。
すぐに私の番になり、バスローブを手にバスルームへ。
いよいよ始まるんだ、ということばかりが頭の中で渦巻く。
そう、ご主人様の顔は浮かばなかった。
濡れた髪を直しながら部屋に戻る。
また少し喉を潤したのだったかな、「それじゃ始めましょうか」
照れても仕方ないと思いながらも、後ろを向いてワンピに着替え、
指導されるまま、素直に準備運動をする。
「大丈夫そうですね」
言われるとおりに腕を後ろで重ねると、さっそく縄が巻かれていく。
思ったほど痛くはない・・・と思っていると、
ときどき予想しない力でキュッと引かれて呻き声を出してしまう。
わざとなのか、偶然なのか、ときどき乳首の先に手が触れ、甘い声が漏れる。
耳元で説明を加えながら、腕を、胸を、縄が締め上げていく。
ほとんど目を閉じてしまっていて、どうなっていたのか、あまり覚えていない。
ただ手際よく、自由を奪っていく彼の手に、声に、感じていた。
あっという間に上半身緊縛の出来上がり。
黒いシートの敷かれたベッドに倒され、撮影の準備が進む。