戯言 |  二人共和国

戯言

子供の頃から走り続けてきた。


ただがむしゃらに。


ある日を境に走ることができなくなった。


ガス欠だった。


燃料タンクには穴があいており、何度も補充しても流れてしまって止まらない。


歩くことを知らない私には景色がスローモーションの様だった。


走ることで自分の価値があるのだと信じてきたから戸惑ったし、泣いた。


戸惑いながら拾い集めた数々の素晴らしきものたち。


こんなにも空は綺麗で、土は暖かいことを知った。





走っていた頃のあの流れ行く風景を懐かしく思いながら


ゆっくり歩く。