新型コロナCOVID-19陽性患者としての出産 | \BABY坊s/双子育成日記

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2歳男女双子+3人目妊娠中

4月27日
1877gの男児を出産しました。



出産時、私に発熱があったため
新型コロナ陽性患者扱いで出産しました。

PCR検査の結果は陰性でしたが
その後も赤ちゃんと面会禁止で

一度も触れるどころか
顔も見れない日が続きました。



誰かの参考になればと思って、、、
また自分の気持ちの整理するためにも
記録を残すことにします。



注意大前提として注意
お世話になっている医療機関を
批判する気は毛頭ございません。
携わっている医療従事者の方々には
本当に感謝しています。



私のスペック:
・29歳、第3子妊娠中(32週)
・都内在住、海外渡航歴なし
・3月中旬より在宅ワーク

・旦那も4月初旬から在宅ワーク
・2歳4ヶ月の子供達も4月初旬から
 保育園を休園させている

・平熱が36.8〜37.1℃




4/25(土)
19:30  自宅にて破水
20:30  出産予定のA病院で「前期破水」
   「完全破水」と診断されて入院
この日から抗菌薬&張り止め点滴開始

張り止めの副作用で、
動悸、火照り、手の震えがすごい。



4/26(日)
朝 36.8℃
昼 37.6℃
夜 37.5℃
発熱以外の自覚症状なし。
(喉の痛み、咳、味覚障害、下痢(−))

CRPは正常値。
白血球数は11000くらい。
(正常値4000〜9000)

胎児は元気。胎動もいつも通り。
羊水量もたっぷりあると言われた。

NSTで1、2分置きに張りがあったため
張り止めの量を増やすことになった。

少し落ち着いていた動悸と火照りが
よりひどくなった。



4/27(月)
朝 37.1℃

胎動が少なくなっている気がした。
NSTで胎児の脈拍が160〜170になり
規則的な張りも認められた。

病院側から
「今週からオペを受ける患者さんは
全員PCR検査を受けてもらうことになった。
今日中に検査をする」と説明される。


10:00  熱が37.9℃に上がる。
   飲水禁止の指示。
   個室に移される。

個室に移されて
今から緊急帝王切開になること、現在発熱しているので新型コロナ陽性患者として扱うこと、これからPCR検査を受けることを説明される。

すぐにPCR検査を受ける。
結果は2・3日後に分かるが、それまでは陽性患者として対応するので、個室からは出ないこと、防護服を着た医療従事者が対応すること、など説明される。

32週での出産なので赤ちゃんは絶対にNICUに入院することになるが、ここの病院(A病院)では陽性患者の新生児を受け入れていないので、B病院に搬送する。母親(私)の陰性が分かり次第、A病院に戻してもらうとのこと。

仕方のないことだけど、赤ちゃんと離れ離れになると分かって、悲しくて涙が出た。



12:00  オペ室入室
陽性患者扱いなので産科のオペ室は使わせてもらえない。救急救命のオペ室での出産になった。


13:30  出産
1877gの男児を出産。
32週3日の短い妊娠期間だった。
姿は見えなかったけど、たくさんたくさん泣いて声を聞かせてくれた。

私は感染者(仮)なので、赤ちゃんとは接触も出来ない。看護師さんが配慮してくれて、遠くで処置されている赤ちゃんが見えるように、目隠しの布を取ってくれた。
SpO2が92前後で呼吸が安定せず、気管挿管になった。


ここからは記憶が曖昧。
麻酔の効きが悪く、術中の痛みに耐え切れず、強めに鎮静をかけてもらったので、頭がぼんやりしていて途切れ途切れにしか覚えていない。

B病院に搬送される前に、赤ちゃんの保育器を近くまで連れてきてもらったようだけど、目の焦点が合わず、顔も見れなかった。
赤ちゃんが近くに来てくれたことは分かって、意識が朦朧とするなか思わず手を伸ばして「生きてる?」と聞いてしまった。


病室に帰る前に、一瞬だけ旦那に会えた。「産んでくれてありがとう。B病院に行ってくる」と言われた。
あとで聞いた話だとB病院では入院の手続きのみで、赤ちゃんの顔も見れなかったらしい。
「(感染者である私の)濃厚接触者なので」と言われたと聞いた。


その日はひたすら病室で痛みと戦う。
A病院は母乳推奨の病院で、前回出産したときは産んだその日から3時間置きの助産師さんの搾乳があったけれど、今回はおっぱいの状態すら見られなかった。
夜中は傷口と後陣痛が痛くて、ずっと痛い痛いと呟いて気づけば朝だった。

オペ後、37.5℃以上の発熱なし。



4/28(火)
産後1日目。
歩行は問題なし。

旦那から連絡あり。
赤ちゃんが搬送されたB病院は、PCR検査を一度でも受ければ結果が陰性であっても、今後一切の面会が禁止である、陽性者だから母乳もあげられない、と。

担当の助産師さんにその旨を伝えると、「厳しすぎる。B病院がそんなことになってるとは知らなかった」と。

各病院でPCR検査の運用も、COVID-19に対する対応も違って、互いに連携は取れていないということが分かった。
A病院がオペを受ける患者、全員をPCR検査していることを、おそらくB病院は知らない。

私はオペ前に発熱があったからまだ分かるけど、本当に何も症状のない帝王切開ママも同じ対応なら可哀想すぎる。

A病院では、PCR検査の結果が母子共に陰性なら面会は可能だと言われたので、結果が分かり次第とにかくA病院にバックトランスファーしてもらいたいと希望した。A病院からは了解される。


この日も発熱なし。




4/29(水)
産後2日目。
PCR検査の結果が出る。
『陰性』

赤ちゃんが今日中にB病院からA病院にバックトランスファーされるとのこと。
助産師さんには「よかったね!やっと会えるね!」と言われた。

B病院からの搬送には旦那が付き添ってくれた。A病院はパパの面会は禁止なので、B病院がパパに配慮してくれて、保育器越しだけど顔を見せたり写真を撮らせたりしてくれたと言って喜んでいた。B病院の対応に感謝。


私は今日昼には面会が出来ると聞いて、それを心待ちにしていたけど、全然呼ばれない。
結局、夕方頃に医師が来て、
「病院の感染症患者の基準で今日は面会出来ない。今後の面会が可能かどうかは本部の指示による。赤ちゃんが退院するまでNICUには立ち入れないかもしれない」

こんなときだから、ご理解くださいと言われた。
病院の対応としては正解だと思ったし、ちゃんとした病院だと信頼度も高まった。


でもどうしても赤ちゃんと会えないということが悲しくてたまらなかった。だって退院まで会えなかったら、間違いなく1ヶ月以上は会えない。今日会えると言われて、楽しみにしていた分もあったと思う。
その場では堪えたけど、病室に一人になったときに号泣した。

なんで破水しちゃったんだろう。
なんで発熱しちゃったんだろう。
なんで私は普通に産むということが出来ないんだろう。

多くの人が産んですぐに赤ちゃんに触れて、初乳を与えることが出来るのに、私は産んだ子供の顔も知らない。


明らかに凹んだ私の様子を見かねて、担当の助産師さんがNICUに行って赤ちゃんの写真を撮ってきてくれた。
スタッフの方々の温かい心遣いには感謝ばかり。


PCR検査の結果が出るまでは、搾乳して捨てていたけど、陰性だったのでこの日から搾乳を保存出来るようになった。
母乳の出は良い。双子を育てたおっぱいは健在で、20cc、50cc、100ccとどんどん搾れるようになった。ストレスで枯れなくて良かった。

この日も発熱なし。



4/30(木)
産後3日目。
この日からシャワー解禁。破水したその日からずっとシャワーを浴びてなかった。貧血と頭痛で倒れそうだったけど、意地で浴びる。


朝、助産師さんが来て「晴れて大部屋に戻れますよ。そうすればもう感染者じゃないからね。赤ちゃんと面会出来ますからね」と言われる。

もう面会出来なくても、とにかく搾乳を飲んでくれるだけでもいいと思って、自分に言い聞かせていたところだったから、すごく嬉しかった。


夕方、ついに赤ちゃんと対面。
顔見た瞬間に号泣。
「ごめん」と何度も何度も謝った。

私が人生で最後に産んだ赤ちゃんは、写真で見るより何百倍も可愛かった。






以上が新型コロナCOVID-19陽性患者扱いで出産した私の、赤ちゃん対面までの記録です。

今現在、私は体調良好で、一足先に退院して、NICUに通う毎日です。
赤ちゃんも気管挿管が外れ→CPAP→今は呼吸器なしになり、順調に経過しています。



旦那が私に言った言葉があります。
「コロナは産まれる時もひどいな」

その裏に、新型コロナで亡くなったときの悲惨さを示唆した言葉だったのだと思います。

永遠の別れと、今後がある者を比較するのはあまりに違いがありますが、人生の大事な瞬間に引き裂かれるという点では同じ。

人の心を傷つけます。


一日でも早く、新型コロナが終息する日が来ることを祈っています。
新型コロナによって、悲しい思いや、辛い思いをする人が一人でも減りますように。



ここまで読んでくださった方、
ありがとうございました付けまつげ