8回に中前に2000本安打目を放った小笠原選手
スタンドの大歓声に拳を突き上げて応えました
坂本選手(右)から花束を贈られ、笑みがこばれました
2000本安打もフルスイングで決めた。
小笠原道大選手が5日の阪神戦(東京ドーム)で、通算2000安打を達成した。38人目の快挙で、1736試合目での達成は歴代4位の早さだった。
大記録まで11本と迫って臨んだプロ15年目のシーズン。
通算打率、現役1位(4000打数以上)の3割1分6厘を誇るが、今季は16試合(61打数)で10安打と苦しんだ。
しかし、当てにはいかず、代名詞ともいえるフルスイングで記録に挑み続けた。
キャプテンの阿部選手が開幕直前に足を負傷したため、代わりにキャプテンの重責も背負った。
不振だったが、チームの雰囲気を暗くしないため、笑顔でチームを引っ張り続けた。
分岐点となったのは、18打席無安打で迎えた29日の横浜戦。
鬱憤(うっぷん)を晴らすかのように、今季初めて1試合3安打を放った。
その後、ふっきれた様に徐々に調子を上げていった。
あと2本を残して戻った本拠地東京ドーム。
本拠地開幕戦となる3日は無安打に終わったが、4日に1999安打目を放って王手をかけた。
そして、3連休最終日となる5日の「こどもの日」、大勢のちびっ子ファンが見守る中、その瞬間は訪れた。
3打数無安打で迎えた八回裏の4打席目。
「出塁することを考えた」という打席で、1ボール2ストライクから、阪神・小林投手の4球目、144キロの直球をフルスイング。
「とらえた」(小笠原選手)という感触が両手に残っていたが、打球が遊撃手と二塁手の間を抜けるのを確認すると、一塁に走りながら、
「ヨシ」と自然に声が出た。
塁上でほっとしたような笑顔を見せ、坂本選手と阪神・新井選手から花束を受け取り、観客席に5度頭を下げた。
試合後、東京ドーム内で行われた記者会見。達成を支えたものを聞かれると、
「自分ひとりでは絶対にできなかった。今までの指導者、チームメート、裏方さんや、どんな時も勇気づけてくれたファンの方々、支えてくれた全員に感謝したい」と謙虚に振り返った。
達成した瞬間の気持ちについては、
「凡退するたびに、みんなのため息が聞こえていたし、ほっとした。巨人ファンも阪神ファンも拍手で祝福してくれて、それだけ、すごい数字だと感じた」としみじみと語った。
今後については、
「振り返らずに、まずは今年の優勝が第一。そのために1本でも多く打てるように精進していきたい」
と目標を掲げ、東日本大震災の被災者の方々に対しても、
「ニュースが明るい光になり、希望や勇気を持ってもらえるならうれしい。プレーを見て頑張ってもらえるように、明日から、もっと全力でひたむきにプレーしたい」。
フルスイングが、震災で沈む日本を励ます一条の光になることを信じ、一打席ごと全力で臨むつもりだ。


