急展開で決まった先輩とのお茶。

 

しかも2人きり。

 

え、これは、女先輩は知っているの?

 

わざわざそれを確かめるのもなと、聞かなかったけど。

 

 

私はその日はもともと大学時代の友人と会おうと思っていたけど、

 

それもコロナでなくなったので、夫にはそのままの予定で伝えていた。

 

 

実家に帰り、父に娘を預け、今回の再会の会場となるショッピングモールへ行った。

 

 

一年前とはまた違った緊張があった。

 

2人って…2人って!!!

 

ああもう、いっそのこと気持ちを伝えてしまえば楽になるのだろうか。

 

でも、決して叶わない想いなのであって、私が気持ちを言ってしまったら、もう二度と会えなくなるかもしれない。

 

それは辛い。

 

こうして会えるようになったのに、会えなくなるのは耐えられない。

 

それでも、言わずにこの人生を終えるよりは…

 

そんなことを思っていたような気がする。

 

 

またまた心臓をバクバクいわせながら、時間が来るのを待った。

 

 

約束の時間となり、私の緊張もピークに達した。

 

でも今回まだ良かったのは、コロナ真っ最中でマスクをしていたことだ。

 

表情が分かりにくいので、再会の瞬間の表情についてはあまり気にする必要がなかった。(笑)

 

 

先輩が来た。

 

マスク姿は初めて見たが、すぐに分かるもんなんだなと思った。

 

 

先輩はいわゆるイケメンとはまた少し違う。

 

でも、オーラがある。(ように私には見える)

 

顔はいわゆる塩顔なのかな。

 

クールな感じで、鋭いオーラ。

 

うーん、そんな簡単に表現もできないな。

 

まあいいや。

 

 

「行こか」

「あっちのカフェが落ち着いてて話しやすいで」

 

そう言って、スタスタとカフェに連れて行ってくれた。

 

うーん、本当に兄と妹のようだ、と思った。

 

でもそれが心地いい。

 

 

積に着くと、先輩がマスクを外した。

 

あー、この顔、見たかった。

 

私もマスクを外したが、その頃何かで「マスク=顔パンツ」みたいな表現があって、

 

普段は私は何とも思わないのに、先輩の前でマスクを外すのは妙に恥ずかしかった。

 

 

何かを飲んだ。食べたかは分からない。

 

目の前に先輩がいて、2人しかいなくて、誰が聞いているわけでもなく、のんびり話せた。

 

先輩を見ると緊張したりドキドキしたりもするが、同時に安心もした。

 

ずっとこの人の近くにいたかったのにな、と思いながら。

 

 

何を話したかなー。

 

夫婦の話もしたけど、内容はあまり覚えていない。

 

シラフだったのもあって、先輩も忘年会の時のように

 

「女先輩とは平行線」

 

のような話はしなかった。

 

 

老後の話はした。(笑)

 

一緒にいる未来とかそういうのではなく、

 

どういう趣味がいいだろうねーのような。

 

自転車とか、山登りとか。

 

 

あとは覚えてないな…結構覚えてないな…

 

 

あ、でも、

 

「お前は俺の永遠の妹やからな」

 

というフレーズを、この時初めて生で言われたような気がする。

 

そして、

 

「みんなに送るから」

 

という理由で、私の写真を撮られた。

 

真正面から。

 

めちゃくちゃ恥ずかしかった。

 

私も撮りたかったな…。

 

 

なんやかんやで、2時間くらいはしゃべったのかな。

 

お店を出て、先輩の背中を見ながら歩き、

 

エスカレーターに乗って、先輩の後頭部を眺めた。

 

気持ちを伝えるならこういう時なのかな、でもこの関係をなくしたら今度こそ生きていけない。

 

ひっつきたいなぁ、触れたいなぁ、でも近付けないな…

 

先輩には女先輩と弟が、私には夫と娘がいるんだもんな。

 

これでバイバイしたら、今度はいつ会えるんだろう…。

 

 

そんなことを考えながらエスカレーターに乗っていたことは鮮明に覚えている。

 

 

待ち合わせをした場所まで戻ってきて、

 

「また帰省した時は連絡ちょうだいな」

 

と言われ、バイバイした。

 

先輩に背を向けた瞬間が切なくて、涙があふれてきた。

 

せっかくの再会、もう終わっちゃった。

 

そう思った。

 

 

実は学生時代、先輩が卒業する前に、一緒に居酒屋に行ったことがある。

 

たくさんお世話になったのでって、私がご馳走したのだった。

(先輩は私より先に卒業しているので、この頃はまだ結婚していない)

 

あの時の別れ際を、今でも覚えている。

 

お互いお酒も飲んでいたし、私は先輩を慕いまくっていたので、

 

「またね!」と言いながらハグをした。

 

その時の、背中の感触。

 

先輩の大きな手が、私の背中を包んで、ぎゅっと寄せてくれた。

 

あれがきっと唯一のハグだったような気がして、

 

あの感触が今でも残っている。

 

 

あれをもう一度したかったので、

 

今回の別れ際にしてみようかとも思っていたが、

 

理性というのは難儀なもので。

 

 

さくっと、挨拶としてハグをすればいいものを、

 

特別な感情があると、ありすぎると、できないもんですねー。

 

やれやれ。

 

 

そんな感じで一年ぶりの再会は終わり、

 

帰ってからもメッセージのやり取りが続いた。

 

 

これが、今のところ、先輩との最後の再会。