2018年5月。

 

私は、1歳を迎えようとしていた娘と、女先輩の家を訪ねることになった。

 

なぜ会うことになったのかは、まったく記憶にない。

 

でもその頃には、数か月に一度のペースで女先輩と連絡を取っていたので、会う流れになったんだろうな。

 

場所については、乳児を連れていたため、お店よりも家がいいねとなり、「うちにおいで」と言ってもらった。

 

うち=先輩と女先輩が暮らす家

 

ということなので、え、先輩はいるの?え?え!?と動揺したのを覚えている。

 

動揺したが、「先輩はいるの?」とは聞けなかった。

 

 

当日。

 

指定されたマンション下の駐車場に車を停めると、女先輩が出てきてくれた。

 

嬉しい半分、複雑な気持ちが湧き上がってくる。

 

先輩と会うことになるのか、ならないのか、そこが気になって、どんどん鼓動が速くなっていった。

会うとしたら14年ぶりになる。

 

女先輩の後に続いて、娘を抱っこして着いていった。

 

 

そして、先輩と女先輩の家に入った。

 

 

女先輩が、

 

「今日は〇〇(先輩)は出張でおらんね~ん」

 

と言った。

 

 

私はほっとしたのか残念に思ったのか、

 

「そうなんや~」

 

くらいしか言えなかったんじゃないだろうか。

 

 

おうちでは、女先輩の作ったパスタをいただき(おいしかった…)、娘を眺めつつ会話を楽しんだ。

 

開放感のあるリビング。

 

こだわりのありそうな質感の良い家具。

 

整理され抜いた物置。(女先輩は整理整頓が超ハイレベル)

 

そして寝室まで見せてくれた。(苦笑)

 

わりと落ち着いて見れたような気がするけど、2人の写真がなくてほっとした。

 

 

会話の内容は、大半は覚えていないけど、結婚生活についてのくだりは今も記憶に残っている。

 

「夫は私に家にいて欲しかったんだって」

 

「でも私は社会に出て認められたかったんだよね」

 

「僕が必要としてるからそれでいいやん、と言われた」

 

「私は結婚に向いていなかったんやと思う」

 

「マンションの隣同士で住むくらいがちょうどよかったかもしれない」

 

などなど…。

 

 

それを聞いて私は、

 

「じゃあ私に先輩をくれたらよかったのに」

 

と思ってしまった。

 

「私なら、喜んで家で先輩の帰りを待てたのに」

 

と。

 

 

でも、忘れがちやけど、私は先輩の弟と、ほんの一時とはいえ付き合っていた。

 

だから先輩は、絶対に私には手を出さなかった。

 

「弟が手を出した相手には俺は手を出さない」と言っていたから。

 

 

だから叶うはずもないことなのに、

 

「じゃあ私にくれたらよかったのに」

 

って…。

 

 

女先輩との再会は嬉しかったし楽しかったけど、

 

その会話だけがずっとずっと胸に残った。