この街に住んで、もう15年くらいが経つ。
その間私は、4回引越しをした。
私はいつもご近所さんに恵まれる。
幸せなコトに昔っから私はそうだ。
いつも「優しいばあちゃん」に出逢う。
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今のマンションの近所に「ばあちゃん」がいて、
逢うたびによくご挨拶をしていたら、
「今日は祭りだから。」とお寿司の差し入れをしてくれたり、
「家族の分作ったから。」と私の分もパスタを作ってくれたり、
「多すぎた。」とピザをくれたりするようになった。
いつもばあちゃんは
カラになったお皿を持って家へ戻るのだけれど、
たまに家に上がってお茶を飲んでは
「昔の話」をしてくれる。
私は昔の話がだいすき。
同じ話が何度も出たりするのだけれど、
何度聞いても、すき。
たぶん、仕事が出来ず、
昼間ほとんど一人の私を慮って、顔を見にきてくれていたのだと思う。
事情は少し話していたから。
「○○○、アンタ人間恐怖症かい?」
「いいや。そうじゃないけど、まあ、そんなもんかな。」
「ははは。仕方ないねぇ。焦るんじゃない。そのうち治るわ。」
深い詮索をせずに答えてくれる。
この話もやっぱり、ばあちゃんには何度も話した。
私はお礼に、何度かに一度お返しをもって行って、
「ちょうどいい距離」の「近所の付き合い」をしていた。
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「ばあちゃん」はなんとなく、
幼い頃お世話になった「ばっちゃん」に
似ている。
何か持ってうちにきては、
母に「昔の話」をしていた。
「いたこ」になる前は
「芸者」だったんだよと、三味線を弾いてくれる。
「大人の話に子供が首を突っ込んできたらいけない。」
といつも母にはこってりと叱られたけれど、
ばっちゃんは笑っていた。
ばあちゃんも
ばっちゃんも
そう。本当に。よく笑うんだ。
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ばあちゃんは何年か前にカラダを悪くして、
痩せてしまってからは
足にきて、
歩くのをやめたら、
少しぼんやりとなってしまった。
もう50に近い、ばあちゃんの娘
のんちゃんは美人。
昼間は仕事に出ていて、
夜はばあちゃんの介護をしている。
近所には親戚がいて、その親戚もばあちゃんの介護を手伝っている。
美人はいくつになっても美人だなと
のんちゃんを見ると私はいつも思う。
今年の桜の咲いた頃、
私がパニック障害のリハビリで
ばあちゃんの家の前を通ったら、
のんちゃんの怒鳴り声が聞こえた。
「何でもかんでも、してもらおうと思ったらダメなんだよ!!!
自分で出来ることは、自分でしなさいよ!!!」
のんちゃんの声は、
とても疲れていた。
まっすぐまっすぐただまっすぐ歩きながら
ひとり思った。
・・・・わたしはいつから
「こっち側の人」になってしまったのだろう。
「自分の病気の悪化」を理由に、
ばあちゃんの顔を見に行かなくなっていた。
川岸の反対にいつもいて、
「渡れないから、仕方ないよ」と、
見もしない、
手さえも伸ばさない、
悲しい人間に
いつからなっていたのだろう。
家の中までは上がれなくっても、
頑張れば
顔ぐらいは出せたはずなんだ。
ばあちゃんにものんちゃんにも
これは毎日の現実で、
他人事じゃない。
「明日はわが身」なんだ。
ばあちゃん、ごめん。
のんちゃん、ごめん。
ごめん。ごめん。ごめん。
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ちょっぴりでも出来ることはないか考えて、
やはりそれは「土足」ではなく
「さりげない感じ」がいいんだと思った。
家の分と、のんちゃんたち家族の分、
お菓子を多すぎないように買ってきた。
紙の切れっぱしに
「たくさん買っちゃたから、少しだけ手伝って。
「お返し」とかやめてね。一緒に太ってぇ!またね!」
そんなことをザツに書いて、持っていった。
のんちゃんが仕事で家にいない昼間に。
ばあちゃんの顔を見に。
前よりコトバの出ないばあちゃんに
「これのんちゃんに渡して。ばあちゃん、なーんだ元気そうだね。顔見ないから心配したよ。」
と言ったら、
「・・・あれ?○○○かい?ああ。○○○か。久しぶりだね。元気だったかい?」
しわしわになって笑って、
私の心配をしてくれた。
玄関で、久しぶりにばあちゃんと立ち話をして
私は自宅に戻ってきた。
帰宅してから、動悸と涙が
一緒になってググーっとでてきた。
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のんちゃんからお礼の電話が夜にきて、
私はふざけてまた
「一緒に太って。あはは。」
と答えた。
のんちゃんは「ありがとうね」と笑ってくれたけれど、
お礼を言うのは私のほう。
ばあちゃん、
これから少しだけお返しするね。
少しだけね。
無理なくね。
ばあちゃんがしてくれたように
「当たり前のこと」を、
さりげなく、ささやかに・ね。
ばあちゃん、のんちゃん、
気にしてくれて、いつも
ありがとう。
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こっちの女はよく笑う。
笑って泣いてしゃべっては結局、笑う。
厳しい季節に抗うことは到底出来ないから、
「仕方ないね」と
あははと笑う。
ばっちゃんも
ばあちゃんも
おかあさんも
のんちゃんも
そして、やっと、私も。
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ばっちゃん見てる???
私ね、ようやくオバサンになれたんだよ。
ばあちゃんになれるまで
笑って頑張るから、
ばっちゃん笑って見ていてね。
何もしてくれなくていいよ。
うん。いっぱいもらったから。
ただ見ていてくれるだけがいい。
じきにいくからさ、
ただ見てて。
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長い拙い文章を読んでくださって、
本当にありがとうございました(*^ー^)ノ。
しあわせですか?
私はしあわせです。
伝えていきたい想いは
出来るだけしっかりと
伝えていきたいものですね。
アナタが
しあわせでありますように・・・。
ニヤリ主婦。
