「○○ちゃん!プレゼント届いたよ!ありがとう!」
声を弾ませ、姪が電話をしてきた。
3月生まれ。
先日私は姪に誕生日プレゼントを兼ねた、入学祝いを贈った。
今年、姪は中学に入学する。
「早く着いたね!気にいったら使って。でもメインは「本」だからね。」
「・・・え?」
やっぱり。伺うような返事に変わった。
私は荷物の中に、
ブランド品のピンクのお財布、バレッタ、
そして
古ぼけた本を一冊入れていた。
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彼女は、叔母である私を「叔母さん」とは呼ばない。
「○○ちゃん」
名前で呼ぶ。
一度きいてみた。
「ねぇ。どうして私だけは「叔母さん」って呼ばないの?」
「だって○○ちゃんは、○○ちゃんだから。」
答えになっていない答えは、
彼女なりの正しい答えなんだろう。
私は世界でただ一人の血の繋がった姪の事を、
「世界で一番可愛い存在」と認識したことがない。
それは
遠方に嫁いだ姉が、
その土地で彼女を産み、
当時もう、病気だった私は飛行機にはまったく乗れず、会いには行けなかった。
私は彼女の赤ちゃん時代を知らない。
だから・・・。
いや、本当は私が単に情に薄い女だけなのかもしれない。
そして、それ以外の感情も、
こんな単純な想いを阻止しているのだろう。
「世界で一番可愛い存在」
ではない姪は、
「いつもいつでも気になる存在」
ではあった。
それは今も変わらない。
一年に一回、会うか会わないかの関係ではあったが、
彼女はとても興味深かった。
みるみる成長していって、
私の服装やアクセサリーを見ては
「○○ちゃんはオシャレ過ぎる。」
だの、
「○○ちゃん、ダイエットしてるの?」
だの言ってきた。
その度に
ああ。女の子だな。面白いな。
と興味深く思ったものだ。
いつのころからか、彼女が
「~すべきだから。」
「逃げたくない。」
という言葉を使い出した。
どの夫婦も何らかの葛藤は抱えていて、
本人たちにしか理解できない細かな事情がある。
それをとやかく言う資格は、誰にもない。
姉夫婦のココロとココロは宙に浮いたまま、
彼女の存在を通じて、時間だけが経過していた。
子供のココロは、綿雪みたいに柔らかだから、
見たもの・感じたものに対して、
敏感に反応してしまう。
大きくなるにつれ、きっと彼女は知っていったのだろう。
自分の役割を。
「自分の存在こそが、両親を結ぶことの出来るか細い糸。」
いい子に育ってしまった・・・。
それは日常にある些細なことで
しかし、
さもすれば、
「一生のココロの傷になるような出来事」を背負う子供がいる。
「日々を一生懸命に育てるが故の「気付かなさ」」を後悔する親もいる。
たぶん、誰も悪くはない。
それでも、取り返しはつかない。
私は姪に、なるたけ綺麗なものをプレゼントに選んだ。
それは安いものでも、
ピンクや赤、美しいイエロー、ブルー。
キラキラと光ったもの。
「どうして○○ちゃんは高そうなキラキラを送ってくれるの?」
姪の問いに、私は答えられなかった。
ココロは、綺麗な色や景色、芸術や音楽、
自分の好きな分野の何かが、少なからず守ってくれる。
しかし、それをプレゼントにして送るのは、
私の自己満足にすぎない。
それは彼女の近くに行けない叔母の
エゴでしかないのだから。
私には答えようがなかった。
最近姉はよく言う。
「娘は輝いていくのに、私は老いていくばかり。娘が成人して離婚したら女として生きたいのに、これじゃあ女として生きられない。」
「あはは。順番でしょう?親がバトンを渡してくれて、私たちが走って、また次世代にバトンを渡す。若さは一時的な旬だから、それ以降が女の見せドコロで楽しいよね。」
「そうかなぁ?若い方が有利だよ。」
姉妹二人で笑う。
人の幸せはそれぞれだ。
私は30歳を過ぎてから、「普通に生きたい」と思うようになった。
子を産み、
泣き笑い・苦悩して育てて、
ささやかに、つましく日々を過ごし、
たくましいおばあさんとなって
そして、土に返りたい。
人生の荷物は少ないほうが良いと公言する私の、
背負いたい幸せの荷物。
思い描いていた人生と違うと嘆く姉に
「それで、何がしたいの?どうしたいの?」
私が問う。
「わかんない。あんたは子供も居ないし、自由だし、若く見えて良いよね。」
姉は答える。
私には・・・バトンを渡したいけれど、
このバトンを渡すことができる相手がいない。
これから一生、このバトンは自分の手に握り締めたままで走り抜けるのかも知れない。
それならば、何かのカタチで、
次の世代に
ならかの手助けをしたい。
それが何かは、今は定まっていないけれど。
本当に、
幸せの荷物は人それぞれで、
だから
頑張れるんだ、人間は。
「お姉ちゃん、そのうち楽しく旅行でもしようよ。」
二人きりの姉妹の、
たった一人の姉と
いずれ旅行へいってみよう。
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「これから、中学校に入ったら、感じること・考えることがたくさん増えると思うの。その時、その本があなたを守ってくれますように。って入れたの。だから、メインのプレゼントは「本」なんだよ。」
「ふぅーん。」
「もちろん、あなたが何かあって連絡をくれたら、○○ちゃんは出来る事はするから。」
「うんっ!!!わかった!!!」
本当に嬉しそうな100点満点の返事だった。
私はこのうれしそうな声の裏にある、
この娘の
「抱えているもの」
を慮って・・・・
ちょっぴり切なくなった。
本は・・・読まなくってもいいんだ。
なくしたっていいんだ。
ただ、困ったときがあったら「変わった叔母さん」が居ることを
思い出してほしい。
私には「まともな大人」のアドバイスは無理だけれど、
なにかあなたに出来ることがあるかもしれない。
「いつもいつでも気になる存在」
の彼女を
私はこれからも
ささやかに見守っていきたい。
どうか、
この娘が
たくさんの光を
浴びて生きていけますように。。。
もうすぐ中学入学。おめでとう。
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この長いブログを読んでくださって、
本当にありがとうございます。
とてもデリケートな事柄ですから、
お子さんを持つ方、
まだ授かっていない方、
独身の方、
お年を召した方、
お子さん、
男性・女性、
みなさんの意見は違って当たり前だと思います。
ただ、人は完璧じゃないから、
魅力があるんだと私は思います。
今がつらい人が側にいたら、
年齢などは関係なく、
寄り添うゆとりと気働きは、
いつももっていたいものです。
暖かな日差しが
あなたを守ってくれますように。
ありがとうございました。
ニヤリ主婦。

