「お前はいつも風邪ひきやがってー!もうくたばれーー!!!」
病院へ行く支度をしながら父が怒鳴る。
うちは共働きだった。
病弱だった私は幼い頃、高熱を出し風邪ばかりひいていた。
有給の都合で、父と母の休める方が仕事を休んだ。
そしていつも大きなため息をつきながら、病院へと私を連れて行く。
私が風邪をひいた日は、
父と母はあまりケンカをしないし、
ちょっぴり優しくて、
私を気にかけてくれる。
熱は高いし、
咳も出て、
お腹は壊していて、
意識だって朦朧として苦しい。
だけど、
風邪の日には、
怒鳴り声は聞こえない。
ひとりぼっちで怯えて眠る夜とは違う。
いつも求めていた「安心」に寄り添うことが出来た。
子供の私は、いつもひどく喉が渇いていた。
風邪をひくと思い出す。
そして思う。
「治りたくないんじゃないか…!?」
私はもう大人で、
「安心」は自分で作るモノで、誰かが与えてくれるものじゃないと知っている。
孤独と自由は共存し、
矛盾と矛盾の狭間で人は生きる。
幸福から得る安心
と、
不幸に浸かりきる安心
は、
無意識のうちに紙一重だ。
「治りたくないんじゃないか?」
自分に問う。
パニック障害は薬が治すのでも、ドクターが治すのでもなくて、
自分が自分で治す。
それをわかっていて…
治らないのは……。
大丈夫!!
大丈夫!!
大丈夫!!
晴れた空が美しいと思えるココロは、
今ここにある。
さぁ、
楽しいのカケラを沢山集めて、今日を過ごそう。