自転車を運転していた女性が、信号待ちで止まっている車列の間を抜けて車道の反対車線に出たところ、走ってきた車と接触して転倒して軽い怪我を負った、という事故です。近くに信号のある横断歩道もあったが、現場は信号もないただの車道だったそうです。
 よくある事故です。僕も車を運転していて反対車線から飛び出して来た自転車をひきそうになった事が何度かあります。

 自転車を運転する側から見ると、道を渡る時は「右を見て左を見て車が来ていないことを確認してから」というのが一般的な安全運転です。
 また「手を上げて横断歩道を渡りましょう。」という標語がある通り、歩行者が車道を渡る時は横断歩道を渡るのが一般的な交通安全です。
 残念ながら、この自転車は明らかに安全運転をしていない、と言わざるを得ません。

 車を運転する側から見ると、一般公道を運転していて自転車や歩行者に絶対にぶつからない安全を確保しようと思ったら、反対車線で止まっている車とすれ違うたび一台一台一時停止して飛び出しがない事を確認しないといけません。しかし、そんな事をしていたら停止している車の周りは常に全て渋滞になりますから、普通そこまではしません。自転車や歩行者が飛び出して来る事を想定して、いつでも止まれるようにスピードは控え目にする程度が一般的な安全運転だと思います。
 この事故の結果、自転車を運転していた女性は転倒して軽い怪我を負ったそうです。車に撥ね飛ばされて重症を負ったわけではないので、車を運転していた人は、その程度のスピードしか出していなかった、つまり一般的な安全運転をしていた、という事になります。

 結果、大人は軽い怪我で済む事故も、赤ちゃんは死んでしまう。ということです。 

 赤ちゃんをそんな危険な場所に連れて行ってはいけないのです。毎年夏が近づくとパチンコ屋の駐車場で車内に置き去りにされた赤ちゃんが脱水で死亡するという痛ましい事故が起こりますが、どうも僕にはその類の事故に見えて仕方がないです。

 自転車を運転していた人は、そもそも車道が危険な場所だと思っていなかったのではないかな?と思います。
 車道は危険な場所だと認識していれば、そんな危険な場所に赤ちゃんを連れて行ってはいけないと思うし、面倒でも横断歩道を渡ろうという気にもなるはずです。

 標語「手を上げて横断歩道を渡りましょう」は「車道は危険だ」と言う事を、もう一度思い出す必要があると思います。

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6日午前10時ごろ、東京・国分寺市東戸倉の都道で、近くに住む山田文栄さん(33)が自転車に乗って道路を横断していたところ、左から来た乗用車と接触して転倒しました。
警視庁によりますと、山田さんは息子で生後7か月の駿成ちゃんをおんぶしていて、駿成ちゃんは転倒した際に頭を強く打って病院に運ばれましたが、その後、死亡が確認されました。山田さんも軽いけがをしました。
現場は横断歩道のない片側一車線の直線道路で、これまでの調べによりますと、自転車は信号待ちをしていた車の間をすり抜けて横断しようとしていて、センターラインを超えたところで乗用車と接触したということです。
警視庁は乗用車を運転していた狛江市の介護士、飯塚亜紗美容疑者(25)を過失運転傷害の疑いで、その場で逮捕し、事故の詳しい状況を調べています。
おんぶで自転車 東京の規則は
警視庁によりますと、都内では「東京都道路交通規則」で、子どもをおんぶひもで背負って自転車に乗ることが認められています。
規則では16歳以上の人が、6歳未満の幼児1人をおんぶひもなどで背負って自転車に乗ることができると定められています。一方、ひもなどを使って子どもを体の前に抱いて自転車に乗ることは認められていないということです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160506/k10010510791000.html