昨年11月のCNNのニュースです。

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「シリア空爆の死者900人超、民間人も犠牲に」

(CNN) 米軍率いる有志連合がシリアでイスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国」(ISIS)を標的とする空爆を開始してからの2カ月で、空爆による死者が900人を超えたことが24日までに分かった。シリア反体制派の「シリア人権監視団」(本部・英ロンドン)が明らかにした。
それによると、シリア国内で空爆によって死亡した910人のうち、52人は民間人で、子ども8人と女性5人が含まれるという。
残る858人は武装勢力のメンバーで、ISISの戦闘員が785人、国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」の戦闘員が72人を占めた。
ただ、現地の状況を把握することは難しく、実際にはもっと多くの死者が出ていると思われる。
シリアは2011年3月から内戦状態に陥った。米国は内戦への介入を避けてきたが、ISISなどイスラム過激派の進出で状況は一変している。
国連によると、シリア内戦による死者は今年8月の時点で19万1000人を超えている。

http://www.cnn.co.jp/world/35056959.html

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 アメリカを中心とした軍隊(フランス含)が、よその国の内戦に参加して、爆弾で900人以上殺して、そのうち50人以上が民間人でした。間違えちった。テヘペロ。という記事です。

 先週13日夜(日本時間14日未明)パリ中心部の劇場やレストラン、郊外のスタジアムなどが武装グループの襲撃を受け、地元メディアによると、少なくとも127人が死亡、約300人が負傷したそうです。犯人はISと見られています。

 テロの犠牲者には哀悼の意を示したい。犠牲者とその遺族の皆様には深くお悔やみ申し上げます。

 でも、その事だけを大きく取り上げる一方で、シリアでの犠牲者の事件がなかったかのような扱いをするのは、まるでシリア=悪、フランス=善、と決め付けてアピールしているようです。
 パリでテロの犠牲者が出たことを幸いに、シリアでの誤爆殺人を正当化しているようで、非常にキモチ悪いです。

 また、もし昨年11月の誤爆殺人を知らない人が、このテロ殺人だけ知らされたら、その人の中でシリアは確実に「善良な市民を殺した悪者」という存在になってしまいます。それは憎しみを生み、報復を引き起こし、次の悲劇を容認する流れを作り出してしまいます。

 世界平和という言葉の「世界」の中には、フランス人もシリア人も含まれているんだという認識が必要です。どうも欧米の人たちの認識では、世界の外にイスラムの人たちがいて、彼らを相手に戦う姿勢は見えますが、分かり合い仲良くする姿勢が見えません。逆にイスラムの人たちも然り。

 世界平和を叫びつつ、やってる事は正反対、戦争の事ばかりです。フランス人もシリア人も世界の一員と認識し、お互いに分かりう努力をしない限り、世界平和は永遠に訪れないと思います。

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ISがフランスで起こしたテロは今年1月「シャルリー・エブド襲撃事件」が記憶に新しいです。
http://www.cnn.co.jp/world/35059050.html
 これはイスラム教の指導者ムハンマドの風刺画に対する反発です。お互いに敬意が足りないと思います。相手が大事にしている者を汚すような事をしてはいけません。また、腹が立ったからと言って殺してはいけません。

また先月ロシアの旅客機が機内に持ち込まれた爆弾で墜落し多数の犠牲者を出しました。
http://www.bbc.com/japanese/34696256
 これも悲惨なテロ事件にも何か動機はあるのでしょう。その動機によってテロ行為が正当化することはできませんが。