電気は足りてるの?足りないの?どっちなの?はっきりしないのは何故?

 → その原因は「電気は貯めておけない。」からです。

 電気は発電してすぐ使うしかありません。発電した瞬間に使わなかった電気は、棄てるしかありません。だから、みんながMAX電気を使うピーク時の瞬間の電力消費量を賄うだけの発電能力が必要になるのです。
 みんなが使っている電気の消費量を常に監視して、それより少し多めに発電機を回して発電し続けています。少し多めに発電し過ぎた余計な電気は棄てています。

 MAXどれだけ使うのかは、暑いとか寒いとかによりますから、その瞬間になってみないと分かりません。なので、予め作って貯めておくことができない以上、発電所をたくさん作ること以外に、方法がないのです。
 電気の安定供給を実現するためには、要は発電所をバンバン建てまくるしかないのです。普段使っていない発電所も、いつか使う時が来るかもしれないので、無駄とは言えません。多少の効率の悪さには目をつぶって、とりあえず発電能力を確保することが重要です。いわゆる「総括原価方式」というヘンテコな仕組みがも、全てここに起因しています。

 原因が分かれば対策も考えられます。対策として「電気を貯められる。」ようにすればいいのです。単純な話です。

 各家庭に、その家で使う電気2~3日分を蓄えられるバッテリーを設置して、電力会社が順番に充電すればいいのです。全家庭に設置されている全てのバッテリーを2~3日かけて満タンにするだけの発電能力があればOKです。消費のピークが関係なくなるのです。
 発電した電気は全て充電されるので、一切棄てることがなく、つまり無駄がありません。必要な発電能力は今よりグンと少なくなります。

 そして各家庭は、自分の家のバッテリーの残量を見ながら電気を使います。暑い夏にエアコンを使う時も、自分で節電するしかありません。次の充電の順番が回ってくる前に電気を使い切ったら、自分の家だけ停電になるのです。節電するしないは全て自分の責任になります。
 冷蔵庫だけは停電になっては困るとか、パソコンだけは停電になったら嫌だとか、そういう事情がある人は、自分の責任で専用のバッテリーを用意して優先的に充電すればいいのです。

 これを実現するためには、各家庭にバッテリーを設置することと、各家庭の家電製品を直流電源で動くように改造する必要があります。かなり全社会的な、ものすごく大幅な改革になりますが、それほど難しいことではありません。脱原発を本気で考えるならば。

 これはひとつのアイデアであって、脱原発を本気で考えるなら、他にも色々なアイデアが出てくるはずです。史上最悪の原発事故から1年以上が経過した現在、特にアイデアが出ることもなく、大飯原発の再稼働を検討しているという現実。

 この現実から分かることは、脱原発を本気で考えてないということです。頭が狂ってるとしか思えません。



-<以下引用>---

大飯再稼働「9月まで」 大阪府市専門会議、近く声明

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、大阪府市による専門家会議・府市エネルギー戦略会議は「再稼働は節電期間の9月までに限定すべきだ」とする声明を近く発表する。橋下徹市長と松井一郎知事の意向を反映してまとめたという。

 関係者によると、声明は7項目程度。細野豪志原発相が5月末の関西広域連合の首長会合で、政府の安全基準が暫定的なものと述べたことについて「不完全であると認めた」と指摘。基準が暫定的で安全性も十分でない以上、再稼働の期間は必要最小限にとどめるべきだと訴えている。

 声明はまた、今国会で成立の見通しが立った新規制機関の「原子力規制委員会」について、独立性を担保するため、委員や幹部の半数程度を外国人にすべきだと主張。大飯原発の事故を想定した放射性物質の拡散予測の公表や、100キロ圏内の住民の避難体制の確立なども求める。