第4話【本が伝えるもの】
―図書室―
調べ物をするには、
やはり図書室はうってつけの場所。
誰でも読めそうな小説や雑誌、
医学書のような難しい本、
さらには絵本や図鑑なども置いてある。
中には...読む人いるの?
と不思議に思ってしまうような
怪しい本もある。
そして、私が手に取った本は
まさにその怪しい本の類い。
タイトルは "あの世からの知らせ"
休み時間にスマホで
"影" について調べたけど、
何も情報は得られなかった。
だから、もしかしたら古い本とかに
ヒントが書いてあるかも知れない。
そう思ったんだ。
幸いなことに、
怪しい本がある棚の近くには
誰もいない。
変な本を読んでいる変わり者だと
思われたらどうしようなんて、
余計な事を考えずに集中できる。
私は棚に寄りかかり、
持っている本を開いた。
┌─────────────────
│
│ ~目次~
│
│ 2・・・著者からの挨拶
│ 3・・・人体と魂の関係
│ 21・・・天国と地獄
│ 32・・・国や地域の考え方
│ 46・・・世界各地に伝わる、
│ 不可思議な現象
│
│ 55・・・あの世にまつわる絵画集
│
│ ―1―
└─────────────────
...。
この本が埃をかぶっていた理由が、
よくわかった。
普通なら、
読みたいと思うような内容ではない。
それでも閉じなかったのは、
46ページが気になったからだろう。
"世界各地に伝わる、不可思議な現象"
影が薄くなる理由=不可思議な現象
にぴたりと当てはまると思ったからだ。
最初に書いてあったのは、
未来を言い当てる預言者 について。
この預言者は、
予知夢というものを毎日見ていたようだ。
次は、未来人の警告。
未来から過去へタイムスリップした人が、
特定の人物の未来を変えようとするもの。
ドラマや映画などで描かれる事も多く、
ベタなお話だと思った。
そして最後に...見つけた。
"影は寿命を知る計り"
昔、ある国では
「人体は魂の器である。
最期の時が近づくほど魂は軽くなり、
寿命が尽きれば それと共に消えるのだ」
という言葉があった。
誰が言い出したのかは、わからない。
今のところ...
時間の経過と共に影が薄くなる人がいて、
傍で見ていた人物が
その現象についての持論を
後世に伝えるために遺した言葉。
というのが有力な説らしい。
その "人" は
病気になってから日に日に影が薄くなり、
そして影が消えた日、
あの世に旅立ったという。
一体どこまでが真実で、
どこまでが嘘なのか、
私には全くわからない。
でも ここに書かれているのが事実なら、
言える事はただ一つ。
茜の寿命が尽きようとしている。
それだけだ...