第3話【違和感の正体】
―お昼休み―
体育の授業が終わり、
私達が一番楽しみにしている
休み時間が訪れた。
体操着から制服に着替えた後、
二人でお弁当を持って階段を掛け昇り、
いつも通り屋上へと向かった。
青空の下でお弁当を広げ、
"美味しい" と何度も言い合いながら
完食した。
ご飯を食べた後は眠くなるもの。
私も 茜も 我慢が出来ず、
床に寝転んで少しだけ眠る事にした。
...10分後。
私はウトウトしたものの、
眠る事が出来なかった。
さっきの体育での事を思い出したからだ。
友香「起きてる?」
茜「うん」
私と同じように、
茜も眠れなかったようだ。
友香「影が一人だけ薄い。
なんて事、あると思う?」
茜「...影?
クラスの中で存在が薄いって事?」
友香「違うよ、地面に映る影のこと。
さっきの体育で、
茜は私の前を走ってたでしょ?」
茜「うん」
友香「遠ざかっていく茜を見ながら
走ってたんだけど、
茜の影だけ周りの子より薄かったの」
茜「そんなことある?」
友香「見間違いだと思ったんだけどさ、
ほら 見て」
私は隣にいる茜の影を指差した。
茜は自分の影と私の影を見比べて、
目を丸くしながら驚いていた。
茜「本当だ!
同じ場所にいるのに、私だけ薄い」
友香「どうしてだろうね...」
茜「友香、調べといてよ」
友香「え、私?」
茜「今日、部活で帰り遅くなるからさ」
友香「しょうがないな~」
♪~♪~♪
"影" について調べる事が決まったところで、
お昼休みの終わりを告げる
チャイムが鳴った。
次の5限目は移動教室だったため、
屋上に来た時とは反対に
急いで階段を掛け降りた。
この時も茜は私の前を走っていたが、
変わらず影は薄いままだった...