嵐のような人がきた。
みんな困ってた。
店長も怒ってた。
嵐の人が去った後、
みんなが口々に言い出した。
いやー、すごかったねと。
あれはちょっとねー、と。
だけど、店長は言った。
いない人のコトはもう、
言うのやめましょう。
だけど、あたしも含め、
みんなしばらく止まらなかった。
でもさ、あれって悪口だよね。
何があったかなんて、本人しか知り得ないのに。
彼女は誰かに話を聞いてほしくて、
人とふれあいたくて、
あたしと同じ気持ちでそこに来たのに。
罪を憎んで人を憎まず。
どうか彼女が幸せになれますように、
そう願えればよかったよね。
彼女が帰った後に、そんな空気が
生まれたらよかったよね。
そして、ふと思い出したんだ。
前にも、似たような状況があったことを。
その時、隣のお姉さんは言った。
嵐のおじさんが去った後に、
みんながアレコレ言っているさなかに。
あたしも、後でこんな風に言われてたりしてー。
そんなコトないですよー。
と、そのお姉さんの一言で、話の流れが変わった。
今思うと、さすがだ。
人の悪口で盛り上がっていた空気を、
あの一言が変えた。
あたしだって、言われてるかもしれないのだ。
本当に。
そして、あたしだって、
みなさんに迷惑をかけたり、お世話になって
生きている。
決して、彼らだけが特別な訳ではない。
変なテンションで、
変な連帯意識が生まれてしまっていたけれど、
自分だって決して例外ではないのだ。
それを棚に上げて
人の悪口を言う人に、なってしまっていたんだね。
悲しいことだ。
そして、店長とお姉さんは、おとなだ。
すごいと思う。
別に、無理に絡む必要はないし、
無理にお世話したり、フォローしたりする必要もない。
だけど、悪口はやっぱり言いたくないし、
そんな空気に触れると、自分も言われるのかな
なんて想いが、ふと胸をよぎるのも事実。
人の悪口を言う人は、
人からも悪口を言われちゃうんだよね。
人を裁くのは、嫌な気分だ。
太陽の人になりたい。
北風の人ではなく、太陽の人に。
どんな人であれ、
その人の幸せを願える人でありたいなー。
罪を憎んで、人を憎まず。
大事なことだ。