シェアを上げることやクルマの性能を向上させるなど、
当面の目標を設定することができても、どのような方向に進もうとしているのか、
先が見えない状態になっていた。

長くセカンドランナーとしてキャッチアップを図ってきたせいか、
トップランナーとなるための心の準備ができていなかったともいえるだろう。

一時的にもせよ、トヨタが進むべき道を見失うことは、かつてなかったことである。
そうした状況のなかで、トヨター族でない社長として奥田が登場してきたのだ。
1982年にトヨタ自動車工業とトヨタ自動車販売が合併して
トヨタ自動車となったときに豊田英二に代わって豊田章一郎が社長になった。