右京が比叡・坂本で旧暦12月1日頃か、朝3時頃、ふと目覚めて夜空を見ると、星が満天散りばめられていた。彼女は生まれて初めて星の美しさを知った。その文章は、とても綺麗で、素直で、門外漢の自分にもわかった。

 

 ・月をこそ ながめ慣れしか 星の夜の 深き哀れを今宵知りぬる

 

国語学者(広辞苑編者)の新村出が「南蛮更紗」で、そして、加藤周一が「日本文学史序説」でこの文章を絶賛した。

 

その本を無性に読みたくなって、「南蛮沙羅」を注文した。キリシタンも書いてある。

 

加藤周一のは「上・下」と、大部でも有り、後日の楽しみとした。名著らしい・・・彼は医学者でも有り、大したものだ。