朝6時、建礼門院の講座を聞いた。冬、右京は、資盛鎮魂の旅の帰り、比叡・坂本の宿を出て琵琶湖沿いを通り、京に帰った。

 

その景色は、海は荒れ、海岸は草木もなく荒涼とし、講師によると「死の浜辺」。ベックリンの「死の島」を思わせた。

 

右京は、水に沈んだ霊魂はこの様な場所に集まり、資盛の霊もいる、そうすれば、ここに住んで彼に会いたい、と思った。

  

僕は、中原中也の詩、「1つのメルヘン」を思い出した。それは小林秀雄が「最も美しい遺品」と呼んだもの、サラサラとしたガラス様な粉末の陽のさす河原であった。

 

 (原文を表示できないのが残念)

 

 

 

「 一つのメルヘン」