17日、民主党文部科学部門会議において、音楽や動画の海賊版ダウンロードに罰則を設けるかどうかが審議された。反対意見が出たことにより、党としての結論は次回以降の会議に見送られているが、ネット上でも大いに議論をよんでいる。
そもそも海賊版のアップロードは、1997年の法改正で罰則の対象となっていた。ダウンロードは2010年から違法になったものの、罰則化は議論が尽くされていないとして明確な結論は出ていないままだった。このたび、自民、公明両党が懲役2年以下、200万円以下の罰金を科す改正案を民主党に提出し、各界で動向が注目されている。
ツイッター上では、関係者などが発言。ダウンロード違法化に反対の立場を示す川内博史民主党議員が
「この違法ダウンロード刑罰化法案が、与野党取引の材料に使われてはならない。
部門会議座長の鈴木議員も苦慮しているようだった。世論の動向が鍵を握りそうだ。
みんな、よろしくたのむ」
とツイート。知的所有権研究会事務局長の小倉秀夫弁護士は、知的財産権の保護強化ではクリエイターの生活は守れないことや、捜査段階では、正規にダウンロードしたものかも切り分けられないので、警察は任意のパソコンをいつでも押収可能と指摘。メディアジャーナリストの津田大介氏も、ツイッター上で
「あまりにも立法プロセスが酷すぎるので今後音楽業界の偉い人とは積極的に距離置いていきます。『音楽』はなくならないから『音楽業界』は勝手に衰退してくださいって感じ」
などと憤りをあらわにしている。
また、インターネット大手掲示板・2ちゃんねるのニュース速報+板「【政治】海賊版ダウンロード罰則化、民主党が結論先送り」というスレッドでは、
「先送りなだけで、危険な状況には変わりないけどな」
「やるならやるで何でもっと議論しないの?」
という声もあがっている。一方、制作者サイドであるT.M.R.の西川貴教氏は「見限る前に制作者をどう守るかの議論がされていないことに不安を感じます」と胸中を吐露。
音楽を制作する側も、利用する側も、政界でのさらなる活発な議論を望んでいるようだ。
(R25編集部)
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