●Twitterがテレビ視聴において欠かせないツールに
日ごろTwitterのタイムラインを見ていると、そのとき放送しているテレビ番組についてのつぶやきをよく見かける。昨年「天空の城ラピュタ」がテレビ放映された際、皆がそろって「バルス!」とつぶやいて、秒間投稿数の世界最高を記録したと言う出来事も、記憶に新しい。
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このように、人によってはTwitterがテレビ視聴時に欠かせないコミュニケーションツールとなりつつある。この春、NECのPCのテレビ機能である"SmartVision"が搭載した"つぶやきプラス"は、そんな時代の要求に真っ先に応えた機能といえるだろう。とはいえ、肝心なのはその使い勝手だ。今回は、この"つぶやきプラス"を使い倒して、その楽しさを紹介していきたい。
○Twitter連携で甦る視聴の一体感
今年の3月より提供がはじまった"つぶやきプラス"機能。対応しているのはデスクトップPC「VALUESTAR」シリーズ春モデルの一部で、利用するにはアップデートモジュールを「121ware」サイトからダウンロードし、インストールする必要がある。
アップデートモジュールをインストールすると操作画面にTwitterアイコンが現れる。これをクリックすると、画面右端にTwitterのタイムライン画面、画面下部には投稿画面が表示される、いわゆる"つぶやきモード"にチェンジするのだ。
このつぶやきモードでできるのは、視聴中の番組に関連しているつぶやきを自動で収集し、タイムライン上に表示してくれる"Twitterライブ視聴"だ。
これはそのとき視聴しているテレビ局のハッシュタグ(例えばNHK総合なら"#nhk")が付いているつぶやきをタイムラインとして表示させるもので、フォローのいかんに関わらず、そのテレビ局のハッシュタグのついたつぶやきがあればどんどん収集して、タイムラインに表示していく。
不特定多数の書き込みが集まるという点で、感覚としてはTwitterというよりも2ちゃんねるのテレビ実況板の雰囲気に近い。とはいえたんにつぶやきを列挙するだけでなく、表示させたくない特定のアカウントやキーワードを登録して非表示にするということもできる。
ちなみに画面右端のタイムライン画面は、上部のタブをクリックしてリアルタイム放映中の他番組のつぶやきを表示する画面に切り替えることもできる。このとき、つぶやきは各チャンネルごとに横スクロールで流れていくのだが、つぶやきの多いチャンネルほどスクロール速度が早く表示されるようになっているため、チャンネルごとのつぶやきの盛り上がりぐあいが一目瞭然となっている。
つぶやきの表示は、リアルタイムで番組を見ている時だけではない。つぶやきプラスが画期的なのは、録画した番組を視聴する場合でも、つぶやきを閲覧することができる点だ。番組を録画した時間帯の、そのテレビ局のハッシュタグが付いたつぶやきが同時に保存される仕組みとなっており、放送時の臨場感を味わえる。
つぶやきプラスがおもしろいのは"Twitter連携"と言いながらも、日頃Twitterをやっていないユーザーでも、十分に楽しめるようになっているところ。とくにサッカーの代表戦など、スポーツ中継をこの機能とともに視聴すれば、今までにない一体感とともに楽しめるだろう。
せっかくのおもしろい機能なので、個人的には「ニコニコ動画」のように、つぶやきをテレビ画面内にスクロール表示させる方式も選べるようにしてほしかった。テレビ画面とタイムライン画面との間を行ったり来たりするのは、長時間の視聴になるとちょっと疲れを感じた。
また、今回は東京で試してみたので初期設定でもにぎやかなタイムラインが楽しめたが、地域によってはタイムラインがかなり寂しくなってしまいそうだ。チャンネルごとに自動収集するハッシュタグは任意で複数を登録できるので、全国放送されているスポーツ中継などをリアルタイムで視聴するなら、その番組を見ているときだけキー局のハッシュタグを追加登録するという手もあるが、なかなか面倒そう。たとえば、自動収集するハッシュタグの選択を番組ごとに追加指定できるなどのきめ細かい設定ができるようになれば、ツイート数が寂しくなるのを防げるのではないだろうか。ぜひご検討いただきたい。
●みんなでワイワイ楽しむテレビの原点への回帰
○Twitter上でのリモート予約もできる
Twitterとの連携機能は番組視聴時だけではない。外出先などからTwitter経由で予約録画ができる機能も、つぶやきプラスは備えている。
まずは、Twitterへのつぶやきで録画予約ができる"リモート録画予約"。利用方法は単純で、SmartVisionに登録しているTwitterアカウントで"録画「○○○(番組名)」"とつぶやくだけ。番組名は少々正確でなくとも、番組表から類推してきちんと録画予約してくれる。また、録画する日付や時刻、放送局や録画モードなどを、つぶやきで詳細に指定することも可能だ。
この"リモート録画予約"機能、便利なものではあるが、当然のことながら自分が予約した番組はつぶやきとして、自分のフォロワーに伝播していく。ユーザーの趣味が露骨に反映されるため、筆者の場合はちょっと恥ずかしい(笑)。つぶやきプラス専用のアカウントを検討するべきか。
なお、リモート録画予約は、つぶやいた際に随時受け付けられるわけでなく、あらかじめSmartVision側で設定した時刻に、録画予約のつぶやきがあるかどうかをチェックし、あればその時点で予約を行うという方式。そのため、録画予約をつぶやいてもすぐに反映されるとは限らないので注意が必要だ。受け付けの時間は任意に設定できるが、かなり頭を悩ませられそうである。
○SmartVisionでテレビ視聴スタイルは原点回帰する
さて、ここまで2回にわけて2012年春モデル時点でのSmartVisionの機能を紹介してきた。第1回でご紹介した、キーボード入力で詳細な設定ができる"おまかせ録画"といったような、テレビとPCでしか成立しない機能を豊富に備えるいっぽうで、家電メーカーのレコーダーと遜色ない録画性能も誇るなど、その実力はなかなか侮れない。
また、テレビ視聴とTwitterとの連携には、計り知れない可能性や楽しさを秘めているような気がしてならない。テレビがひとり1台の時代となり、同じ番組を楽しむ"茶の間"という空間が失われつつある。パーソナルなテレビの最たる例であるPCのテレビ機能で、再び多人数と一体感を感じられるテレビ視聴が楽しめるようになっているというのは、思わぬ原点回帰といえる。今後さらに利便性を高めていって欲しいと願って止まない機能だ。
(川中島善次郎)
[マイナビニュース]
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