覚せい剤売買のやりとりを削除せず放置したとして、警視庁がインターネット掲示板「2ちゃんねる」の関係先を家宅捜索した事件で、問題のある書き込みを消す「削除人」だった男性らが14日までに取材に応じた。「削除し過ぎを嫌っていた」と、2ちゃんねるの運営実態を証言。法的問題がある書き込みには、管理者が直接対応することになっていたという。
警視庁は押収した資料を分析するとともに、関係者から事情を聴き、覚せい剤売買のやりとりを削除しなかったことに管理者が関与したかなど、解明を進めている。
男性らによると、削除人は2ちゃんねる利用者の中から、希望する人がボランティアで担当。「ガイドライン」に従い、削除依頼のあった書き込みを調べて削除する。約100人いるとされるが、お互いが直接会うことはほとんどないという。
「削除のし過ぎを嫌う傾向があった」と証言したのは、サイトの開設初期に削除人をしていた男性。「下品な物言いなど、本当にどうしようもないもの以外消さなかった」といい、削除対象である個人情報も、ほかのサイトなどで既に公開されていると分かれば、削除しなかった。
数年前まで活動していた別の男性は「削除人は管理者の代理ではなく、法的な対応は原則、管理者がすべき問題だ」と話した。「警察に通報したから削除して」などという事件に関係する依頼には、「自分たちは手出しできなかった」と明かした。
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