悪の快楽
私はスリをしたわけではないが
この本を通じて同じ感覚の記憶が甦った
快楽は善の中だけにしか、あるのではない
悪の中にも快楽がある
それは特殊な感覚
ヤバいと感じながら
何かを越える瞬間
意識が活性化され、染み込んでくる
緊張と絶対的な責任は
人間の能力を最大限に引き上げるのです。
そういう濃厚な時間を味わった人間は
またあの感覚を味わいたいと
自分に要求する
感覚の極限にたどり着いた時
寒気を感じるほどの興奮を隠しきれず
悪を征服したと高笑いする
もう一人の自分の支配下となる
精神のギリギリのラインだ
人はおかしいと言うかも知れない
日常の中では味わえないのだから
ただ、人より感覚の領域を広げただけなのである









