過去323号に入院中だった杉村さんの事例で紹介します。脳梗塞で入院リハビリ中。入院時は3点柵で車椅子移動、退院前は多点杖使用し病棟内フリーとなっています。転倒歴は3回あり転倒リスク高いながらも、滑り止めマットを使用した環境調整を行うこと、自信をもたせる関わりによる行動療法、個別ケアプランは自宅退院に向けた計画でした。以上の関わりの中で行動制限を最小化する事ができました。


92歳、女性。右大腿骨頸部骨折の手術の後、果が進行。

海果老人。

ADLの状況:B2

拘束の状況としては、ベッド4本棚。安定剤、眠剤を使用。

施設入所時から拘束していた。

(2)拘束にいたった経緯

転倒による骨折手術後、入院中から、ベッド上で多動、ベッドから降りようとする行為が目立っていた。意味不明の発語、コミュニケーション困難等が続き、入院中は家族が付き添っていたが、点滴時は抑制、毎夕の眠剤服用していた。

退院し、施設入所した後も、多動は続いていた。

(3)取組みの経過

入所後、ベッド上での生活に対し、スタッフ1人が付き添い、本人との会話の中でいろいろな情報を収集する。その中から、高い所が怖い、落ちそうな気がするとのことから、ベッドから畳に対応を変える。昼間はできるだけ車いすで離床し、安静時と夜は職員が1人、布団の横で添い寝して安心感を与える。

(4)取組上の問題点と解決策

夜間1人当直者が付き添うため他の入所者への対応がおろそかになる。このため、当面の間、直者を1人増員する。

ベッドの部屋に畳を敷いたことで隙間ができて危険なため、発泡スチロール等で隙間をうめる。