今日こばおと、三度目の殺人を観に行ってきた。

観終わった直後は、
ぼーーーー
っとしてしまった。
決して悪い意味ではなくて。
パンフレットで広瀬すず氏も言ってたけど、観た後何も話したくなくなるようなね。


今まで検事とか弁護士を題材にしたドラマや映画は観てきたけど、
三度目の殺人のような、法廷劇でありながら、真実がわからないまま終わる作品って、観たことがなくて。


何が真実だったのか
それはいいと思う。
それはもう、考えたい人が考えればいいと。

アタシが何より心に残って響いて、ぼーーーーっとしたのは、
何が正しくて、誰が誰を裁くのか、法律って何なんだというところ。

広瀬すず氏の、
「誰が裁くかは、誰が決めるんですか?」
っていう最後のセリフが、すごく残った。

罪を犯した人を裁くのは、もちろん裁判官の仕事だけど、
裁判官だって普段は普通の人なわけで、神じゃない。
法律って何なんだろうなって思った。
法律の決まりひとつが、罪を犯した人の量刑を左右する。
必ずしも法律は、被害者に寄り添ってくれるものではない。
性犯罪なんかがいい例だと思うけど…


映画の作りとしては、光の当て方とか、鏡面やガラスの使い方が、その人の立場とか心情を表してるようで、印象的だった。

接見の度に話をころころと変えて真実が何なのかわからなくして、本当の人となりというか性格というかそういうのが全く読めない、底知れない闇を感じさせる役所広司氏の演技は本当にすごかった。
それに翻弄されて、今までの弁護士としての在り方も揺るがされていく福山雅治氏が変わっていく様もすごかった。
広瀬すず氏も、純粋だけど背負ってる闇があるんだなと感じさせる演技で、すごかった。これから本当にすごい女優さんになっていくんだろうなと思った。

そしてなにより、この映画の原案と脚本、編集と監督までした是枝氏の頭のなかに感服した。
どこまでもリサーチと計算されて出来た作品なんだなと思った。


でもやっぱりまだもやもやするから、
悪い意味ではなくて!!もやもやするから、
もっかい観に行きたいと思ってる。

重いテーマと、
深く考えさせる映画だった…