【脳は自分と他人を区別できない】

●悪口を言ってから、暫く経った後のモヤモヤの正体

悪口を言うと、脳内伝達物質であるドーパミンが分泌されて一時的な快感を得られますが、その反動でストレスホルモンのコルチゾールが増加してイライラしやすくなります。

また、悪口を言うことで周囲からの信用を失ったり、人間関係を悪化させてしまうこともあります。これらのデメリットを後から考えると、モヤモヤしてしまうのだと思います。

 

●脳は自分と他人を区別できないメカニズム

脳は自分と他人を区別できないのは、脳内の神経細胞であるミラーニューロンが関係しています。ミラーニューロンには、自分が行動する時や他人の行動を見る時に同じような活動をするという特徴があります。例えば、自分が怒っている時や他人が怒っているのを見る時に、脳の同じ部分が活性化します。この作用によって、他人の感情を理解したり、共感したりすることが出来ます。

しかし、ミラーニューロンだけでは自分と他人の区別が付かないので、他の脳の器官も働いて自己認識を行います。自分の行動を認識する時には、右上前頭回や右内側前頭葉、右下頭頂葉などの脳の領域が活動します。また、自分の行動と親戚の行動の認識は、脳の活動パターンが非常に似ていることが分かっています。これは、親しさや自分と親戚との関係性が自己認識に影響を及ぼすことを示しています。

要するに、脳は自分と他人を区別できないのは一面的な真実であり、実際には脳の複数の器官が協調して自他の区別を行っているということです。

 

 

【悪口を言うと、脳機能を低下させる】

●ストレスを感じやすくなる

悪口を言うと、脳内でドーパミンという快楽物質が分泌されます。しかし、その反動でストレスホルモンのコルチゾールやアドレナリンも増えます。これらのホルモンは、血圧や心拍数を上昇させたり、イライラや不安を感じやすくしたりします。

また、脳の中心にある扁桃体が危険を察知して、脳にストレス信号を発します。扁桃体は悪口のターゲットが誰か判断できないので、自分が発した悪口でも自分が傷ついてしまうのです。

 

●海馬の神経細胞が壊れる

悪口を言うと、記憶の司令塔である海馬の神経細胞が壊れてしまいます。海馬は、ストレスに弱い部分で、ストレスを受け続けると萎縮してしまいます。海馬の機能が低下すると、記憶力や学習能力が衰えます。

 

●前頭前野の機能が低下する

悪口を言うと、最も高度に発達した、理性や思考を司る前頭前野の機能が鈍化します。前頭前野は、感情の制御や行動の抑制などに関係していますが、悪口を言うことでその機能が低下すると、自己中心的で衝動的な行動を取りやすくなります。

 

【悪口は依存症になる】

悪口依存症とは、悪口を言うことで快感を得ることが出来るが故に、悪口が止められない状態を指します。

悪口を言うと、脳内でドーパミンという快楽物質が分泌されます。しかし、その反動でストレスホルモンのコルチゾールやアドレナリンも増えます。これらのホルモンは、血圧や心拍数を上昇させたり、イライラや不安を感じやすくしたりします。

また、脳の中心にある扁桃体が危険を察知して、脳にストレス信号を発します。扁桃体は悪口のターゲットが誰か判断できないので、自分が発した悪口でも自分が傷ついてしまうのです。

この事から、悪口依存症は自分の脳や精神の健康に悪影響を及ぼすだけで無く、周囲からの信用や人間関係を失う危険な状態です。悪口依存症から脱するには、自分の感情や思考を客観的に観察し、自分の欲求や価値観を見直し、相手に対しても寛容で理解ある態度をとることが大切です。