中国で告発なんて・・・
共同通信社より。
武漢の改善
欺瞞と告発
習氏視察で隔離解除
意図的患者減
新型コロナウイルス感染症の被害が最も深刻な中国湖北省武漢市で、10日に行われた習近平 国家主席による視察に合わせ、症状の残る多数の患者が隔離を急きょ解除され、一部の感染検査も停止されたことが19日、分かった。
隔離施設の医師が共同通信の取材に、武漢市の状況改善は欺瞞だと告発した。
医師は、習氏への配慮から対策成功アピールのため治療中の患者数を意図的に減らしていると指摘した。
中国で現場の医師がこうした告発を行うのは異例。中国政府は武漢で18日に新規感染者が0人になったと発表したが、医師は政府の集計は「信頼できない」と断言した。
患者が隔離される武漢市の施設で退院の可否を判断する立場にある40代の男性医師が、匿名を条件に書面や通信アプリを通じて取材に応じた。
実態が隠されれば、再び大流行が起こる恐れがあると強い懸念を示した。
中国の診療方針は感染症患者の退院について、ウイルス検査の結果が2回連続で陰性となり、コンピューター断層撮影(CT)で肺炎の症状の明らかな改善が確認されることなどを条件としている。
医師によると、習氏の視察以降、自身が担当する患者に肺炎の所見が見られたにもかかわらず、感染症対策を担う当局の「専門団」の判断で隔離が解かれた。この頃から解除の判断が甘くなり「感染者の大規模な隔離解除が始まった」という。
外来患者も発熱などの症状がある人への問診が簡略化され、感染時に体内で生成される抗体を検出する血液検査が停止された。
結果として「感染疑い例が野に放たれている」としている。
習氏は武漢市の病院などを視察し「(感染状況に)前向きな変化があり、重要な成果が出ている」と強調、感染が終息に向かっていると内外にアピールしていた。
中国政府の発表では、湖北省でこれまでに5万8千人近くが治療を終えて退院。武漢市では3月中旬に入って1日当たりの新規感染者数が10人以下で推移している。