㊗️議席減も覚悟 電撃解散決断 の舞台裏 | フレイルも認知症も減らない日本

フレイルも認知症も減らない日本

Nobody is in possession of the ultimate truth.

ウイルスと戦争の世紀で人生を終えることになるとは・・・まさに第三次世界大戦前夜の状況ですからね しかも本日は日本の金融市場はトリプル安


🎲勝負に出た🎲




日本経済新聞より。


議席減も覚悟
首相の賭け 
電撃解散決断
の舞台裏

{F2FA64F6-2BD4-4E21-9B43-11C7D162CD78}



 安倍晋三首相が28日召集の臨時国会冒頭での衆院解散を決断した。電撃解散に傾いた背景には、自民党が極秘に実施した情勢調査があった。自民党の議席が減ることも覚悟し、賭けに出た。

 「少しお話しませんか」。

首相は10日、日曜夜にもかかわらず、東京・富ケ谷の私邸に盟友の麻生太郎副総理・財務相を招いた。政局話などが続いた後、麻生氏が「岸信介と川島正次郎の話を思い出してみてはいかがですか」と切り出した。


 岸氏は原彬久編「岸信介証言録」(中公文庫)で「総選挙になれば絶対勝つという確信をもっていました。あのとき解散をやっておけば」と1960年の出来事を悔しがる。岸氏は首相として訪米し日米安全保障条約改定に調印。直後に解散するつもりが、幹事長だった川島氏に猛反対され断念する。その後、安保闘争が激化し、条約成立と引き換えに退陣した。

 「解散はご自分のお気持ちで判断された方がいい」と麻生氏から助言を受けた。

 前回衆院選から2年9カ月。

何度か解散の好機はあったが、女房役の菅義偉官房長官が「今解散しても議席を減らすだけです」と一貫して慎重だった。国会で憲法改正を発議するため、衆参両院で必要な3分の2以上の今の議席を保つべきだとみた。

 「自民単独で過半数あれば十分だ」。

首相が周囲にこう言うようになったのは6月ごろからだ。改憲発議をあきらめたわけではない。民進党がまとまりを欠くなか、与党で十分な議席数がなくても野党の改憲派を取り込む戦略も考えていた。だが、現有議席から大幅に議席を減らせば党内の批判勢力が黙っていないとの菅氏らの懸念も理解でき、判断は定まらなかった。

 今年に入り、内閣支持率は学校法人「森友学園」や同「加計学園」の問題で続落。日本経済新聞社の世論調査で7月は39%まで落ちた。解散どころか、2018年秋の党総裁選での3選すら危うい。

さらに気がかりなことに、小池百合子東京都知事の側近らが国政政党の準備を進めた。

 弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮情勢も首相に焦りを与えた。外務省幹部との協議では見通しを何度も尋ねた。「年末に向けて緊迫する一方です」との答えが返ってきた。解散を先に延ばせば、判断はさらに難しくなる。

「中国が共産党大会を開いている10月なら、まだ事態はよりましかもしれない」。首相は周辺からこんな見方も聞いた。

 8月3日の内閣改造は支持率低下に歯止めをかけるためだった。その後、民進党代表は前原誠司氏に代わったが、幹事長に内定した山尾志桜里氏が週刊誌報道を受け離党するなど失速。

民進党の逆風は与党に有利に働く。

 首相は麻生氏と会う直前、党側から直近の情勢調査の結果を伝えられた。衆院選が今あれば3分の2の議席を割り込むが、与党で最低でも280議席超は取れると出た。約40議席も減るが、解散を先送りすればさらに議席を落とす可能性もある。菅氏はなお解散に慎重だったが、悩む首相を麻生氏が後押しした。

 首相は翌11日、公明党の山口那津男代表を官邸に呼んだ。年内解散の可能性はにじませたが、臨時国会冒頭に断行するとは伝えなかった。首相は党の追加調査を待っていた。数日後、改めて自公で280議席は取れると出た。

 15日、ロシアにいた山口氏に電話で「臨時国会の冒頭で解散したい」と伝えた。公明党は一気に動いた。支持母体の創価学会は17日、選挙対策会議を開いた。巨大組織の創価学会には長い準備期間が必要だ。突然の解散に不快感を示す公明党幹部は多い。

 ただ調査は野党の候補者一本化を前提としない数字だ。野党共闘が奏功すれば自民党の議席はさらに減る。逆に野党がしくじれば自民大勝の芽もないわけではない。

「危険な賭けだ」と漏らす首相側近もいる。消費増税の使途見直しや憲法改正、北朝鮮への対応などが争点になる気配だ。

 8月15日夜、山梨県鳴沢村の笹川陽平日本財団会長の別荘。05年8月の郵政解散は周囲の猛反対を押し切って断行したと小泉純一郎元首相が興奮気味に話すのを、首相はじっと耳を傾けた。

 首相は政権交代前を含め直近2回の衆院選でいずれも圧勝した。首相は周囲から尋ねられたことがある。「なぜそのとき『今なら勝てる』と思ったんですか」。答えは「最後は勘だよね」。

今回の勝負勘は吉と出るか、10月22日予定の衆院選投開票日に明らかになる。