「子は親を救うために『心の病』になる」高橋和巳 | ゆめのたね放送局 「ホンスキー倶楽部」

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親の生き方が、子を苦しめている
文庫本の帯に書かれている一文です。

強烈な題名にも惹かれたこと

私の娘が不登校だったこと

この本を手に取りました。

 

 

著者の高橋和巳さんは精神科医

福島医科大学卒業後、

東京医科歯科大学の神経精神科に入局

都立松沢病院精神科医長を退職後

都内でクリニックを開業し、診療を続けています。

 

この本に書かれてあるケースは実際に高橋先生の患者さんです。

 

第一章 息子は親を救うために引きこもった

第ニ章 娘の摂食障害が、母親の人生を回復させた

第三章 虐待されて育った子は「善と悪が逆」

第四章 親とのつながりを持てなかった子の不思議な訴え

第五章 心の発達段階の最後、「宇宙期」とは何か

 

私も末娘が1年半近く不登校でした。
行かなくなった原因を
「先生とウマが合わない?」
「友達とのトラブル?」
…と原因を娘の中に見つけようとしました。
本人に聞いても「わからん…」
そんな訳ないやん、と思っていました。

この本には本来の原因は親の生き方だとあります。

 

娘の不登校になる前となった後の自分を振り返ってみると・・・
不登校になる前の私は、心療内科に通いながら仕事に行き、

いくら頑張って働いても満たされない気持ちが募り、
「私は職場に必要とされているのだろうか??」と不安になった時期でした。
そして学校に行き始める一カ月前に、

上司に「あと1年で退職します」と宣言していたのです。

 

「ああ、私が退職したかったからなんだ…」
そんな風に思いました。

今は元気に中学校生活を楽しんでます。

 

第三章には虐待をされて育った子どもについて書いてあります。
私は小さい頃、ネグレクトでした。

両親が離婚し母は小学三年生の時に蒸発し祖母に育てられました。

その祖母にも「〇〇さんがあんたの事、大人しくて気にいってんねん。養女に欲しいっていうてはんねんけど行くか?」

私が拒否をしたため、その話は流れましたが

その時から無意識に

「良い子でないと見捨てられる」
と刷りこまれてしまい、その思いは今でも私を縛っています。

その為か、グレる事もなくとても我慢強い大人びた子どもとして育ちました。

そんな状態は、この一文に現されていました。

 

「耐えるのが私の存在感の拠りどころだった」

 

あぁ、そうだったのか。

見捨てられるだけでなく存在感の拠どころだったんだ。

 

この本ではケースとして「虐待の連鎖」について書かれています。

私も子ども達が小さい時や、夫、友人たちにも自分がイライラすると「無視」をしていました。

今、考えると自分がネグレクトでかまって貰えなかったから周りの人に対してもわざと無視をしてしまっていたのだと。

これまでの自分の生きてきた過程を振り返り、自分自身を理解することのできた一冊でした。