わたしにはもう三十年以上の付き合いとなる持病があります。


「転換性障害」






無意識な葛藤やストレスといった心理的、社会的要因が身体症状を引き起こし、生活に支障をきたします。ストレスへの「防衛規制」の一つで、強いストレスに圧倒される形で、脳の機能をある種「分ける」ことで対処するとされています。




身体症状はありとあらゆる領域に及び、また変異します。



酷い頭痛、腹痛、胸痛

身体のあちこちの疼痛

聴覚過敏、感覚麻痺

失声

歩行障害

擬似発作(てんかんに似た発作)

パニック発作(過呼吸)

解離症状、離人感

脱力

意識喪失

健忘(記憶の一部喪失)

……etc



この病気の原因は不明です。

幼少期に原因があるという話もよく見聞きしますが

幼少期の記憶がほとんどなく分かりません。


症状を引き起こす原因もきっかけも分かりません。

無意識な要因なのですから。





仕事をしていると

「体調管理はちゃんとしようね!」って

よく言われますよね。

わたしなんて耳タコです


この言葉を向けられると違和感しかありません。




「体調管理も仕事のうち」

という言葉は昔からよく見聞きします。

体調不良を引き起こした原因や症状によっては

この言葉が間違いではないと思います


例えば、

仕事の前日飲み過ぎて二日酔いが酷くまともに働ける状態じゃない。

遊んで夜更かしして起きられない。

故意に食事を取らず貧血などで倒れる。

暑さ寒さ対策をせず熱中症になったり風邪をひいたりする。

……etc





わたしは体調管理には人一倍気をつかっています。

いつ、どのタイミングで身体症状が出るか分からないため、誤解されるようなこと、突っ込まれるようなことは極力排除しています。




お酒は飲みますが、節度は守っています。

眠れなかったり、何度も覚醒したりはしますが「寝ない」ことはありません。眠れなくても身体を横にし休めるようにしています。

体温調節が難しいので、エアコンや着る物をこまめにオンオフし調整しています。

栄養を考えて食事をしたり、それが難しい時は栄養補助食品を摂ります。

定期的に通院もきっちりしています。

服薬もきっちりしています。

少しでもいつもと違うと感じる症状が出れば、即医療機関を受診します。

コロナでホテル療養中も症状が軽くなってからは体力を落とさないために筋トレもしてました。

心身共に疲労してると自覚すれば、自律神経を整える音楽を聴いたり、旅に出たり、近くのホテルに宿泊したりしてリラックスを心がけています。




それでも、原因もきっかけも分からず突如身体症状は現れます。

症状の種類や程度と仕事のシフト等を照らし合わせ

無理して出勤することもあります。


「無理するな!」これも耳タコですが

どこからが「無理」なのか正直分かりません。

ぶっちゃけ、ある程度の「無理」無くしてわたしは生きられません。


明らかに働くことが困難な状況ではお休みさせていただきます。他のメンバーに迷惑、負担がかかるのは承知ですが、出勤した方が余計に迷惑をかけることとなることもよく理解しています。


勤務中に具合が悪くなってしまうこともあります。

倒れてしまうこともあります。

ただ、この病気の特徴的である倒れ方として

怪我をするような危険な倒れ方はしません。

飲食店勤務ですがお客様の目に入る場所では倒れません。

倒れる直前に「あ、もう倒れてしまう」と察知でき、なんとしてでも裏までは持ち堪えます。



これまで「倒れた経験などない」「倒れた人に出くわした経験はなかった」とよく言われてきましたが

わたしには日常茶飯事です。

倒れても命に関わることはありません。

出くわした方が困るのも、心配されるのもよく分かります。

自分勝手な!と思われるかもしれませんが

わたしにとって「倒れる」ことは「自己防衛」です。「ガス抜き」のようなものです。

倒れずに踏ん張っていることがずっと続くと

もっと酷い症状に陥ります。




現在ほど精神的な病気について世間的に周知されていない発症当時は、病院を転々とし「問題ない」とされ続け、ようやく精神科に辿り着き診断を受け

、入退院を繰り返し、通院と服薬を続けてきても


どんなに休養期間を設けてきても


いわゆるストレスマネジメントに取り組んできても




治らないんです。



うまく付き合っていくしかないんです。

生きてる限り。





わたし個人の生活はどんなに支障があれど

この病気とともに続きます。


しかし、仕事では

支障はわたし個人に留まりません。






「仕事への熱く強い気持ちに身体がついてきてない」


この言葉を聞いた瞬間

わたしの中からわたしが飛びました。




仕事への想いに身体がついてこないことは

病気とうまく付き合うどころか

病気を恨むことしかできません。


身体に合わせて仕事への熱く強い想いを軽くすることも想像できません。

この想いが悪いのか…そうも思いたくありません。



瞬時にこの二つの思考が頭に浮かび

そこから解離症状となりました。

そして気がつくと、これまでの想いがごっそり抜け落ちていました。




2023年8月22日のことです。






いつものブログとは一風変わったブログとなりました。

装飾も一切ありません。

ここに書いた事実、心の内に一切装飾はありませんから。



あの日から

誰にも話してこなかった


やっとここに綴ることができて少しホッとしました。