Deux minutes | ベロニクのブログ

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シンプルで美しいものが好きです。
日々、感じたこと、いいなって思ったことを綴ります。
写真、ヨーロッパ、京都、映画、本、音楽、古いものなどなど。


ベロニクのブログ    Brugge



ベルギーでレストランへ行くと、席についてもなかなかオーダーを取りには来てくれません。

すみません…と合図すると、『ドゥ ミニッツ』(2分待ってね)と、ウィンクされます。

最初は『1分ではなくて、2分?』と思ったのですが…

この2分というのが曲者。ベルギーらしいと言えばそうなのですが。

2分といいながら実際には15分かかるのです^^;


”l'addition, s'il vous plait”

「お勘定をお願いします」と言った後も、だいたい15分くらい待つのは普通。

時間にゆとりを持ってレストランに入らないと、イライラと待たされることになります。



ベルギーに来た外国人が、最初に試されるのは、時間に対する”忍耐力”。



ベロニクのブログ     鐘楼




越して1日目にエレベーターで会った黒人のおじさんが、

『ケーブルテレビを頼んだら、つくまでに3週間もかかったよ!』。

うちはそんなにかからないだろうと思ったら、なんと4週間かかってびっくり。



この国では、すべての事がゆるやかな時間で動いていきます。



クリスマス前の金曜日の夜にボイラーが故障してお湯が出なくなりました。

もちろん誰も修理に来るはずもなく、3日我慢してクリスマス明けの朝からもう一度電話を入れてみると…

『マダム、知っていますか?今日はクリスマスの次の日なんですよ!』

要するに、次の日も祝日なので来れないとのこと。

このころには、たいがいのことには驚かなくなっていたのですが…

日本ではありえないですよね。



ベロニクのブログ   Brugge 鐘楼からの眺め



日本は、安全で、お金を出せば24時間何でも手に入る、ほんとうに便利な国。

安全なのは大切だけれど、商業ベースの考えが個人の生活を少々振りまわしていないかしら。


ベルギーでの暮らしは実に不便です。

だけど、お金や会社というより、人間をベースに社会がまわっているように思えます。

ホリデーのために働いている人も珍しくありません。


どちらがいいと言っているのではありません。

でも、ゆったりと流れる時間というのは、私達が失ってしまった、お金に換算できぬ大切なもののような気がしてなりません。




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出張で日本を訪れたアラン(ベルギー人の友人の夫)が、銀行のATMを使用した時の話。



「キャッシュディスペンサーが言うんだよね、『お待たせして大変申し訳ありません』って。


僕はこう言ったよ、

『ノーノー、そんなにあやまらなくてもいいよ、全然待ってないから!』。」